※過去エッセイ※さすらい

 Twitterなどでも告知していたように、私羽田光夏は、4月16日から6月30日(2019年)までの期間、第1詩集の出版に向けてのクラウドファンディングを実施していた。

 これを書いている今日は6月三日。募集終了まで後1か月を切っていると言うのに、思っていた以上に、周りの反応はあまり芳しくない。資金が集まらない一方で、不安や焦りが、日を追うごとに増しているような状態である。そのためか、昨日ぐらいからいよいよメンタル面がしんどくなってきた。

 この記事の下書きを、ブレイルメモポケット(点字電子手帳のような機器)で書いている今も、正直プチ鬱状態である。何をするにもめんどくさくて、とにかく憂鬱で仕方がないのだ。

 と言うような話を、昨夜スカイプでm兄さんたちに聞いてもらった。そんな私を心配してか、今日の朝もm兄さんから、「昨日は眠れたか?」、「あまり無理せんようにな」とラインをくれた。こんな落ち込んでいる時に、そんな優しい言葉をかけてもらっちゃったりなんかされたら、嬉しいに決まっているじゃないですかー。

 今日は夕方から相方が出かけるらしい。一人で夕食を食べるのも寂しいので、こんな時は、スカイプを繋ぎっぱなしにして、兄さんたちと喋りながら過ごせば、少しは気分が晴れるかもしれない。

 そんなことを考えていたら、お昼過ぎにm兄さんから再びラインが来た。

「叔父が亡くなった」、と・・・。

 (えっ、・・・?)って思った。

 私はm兄さんの叔父には会ったことはないが、兄さんの話では、叔父は昔から透析をしていて、数年前からはほぼ寝たきりの生活をしているようで、ずっと病院に入院していたそうだ。つい最近1日だけ自宅に帰ってきたそうなのだが、次の日にはまた病院に戻って行ったとも話していた。

 私は、

「そっか」

とだけ返事を返した。

(何でこんな時に・・・)

怒りとも、悲しみともつかないような、もやもやとした感情が、心を包み始めた。その時だった。ふと、頭の中に、とある曲のイントロが流れ出した。

それは奥田民生の「さすらい」だった。

 なぜにこんな時にこの曲が?!

こんな状況の時に、最も相応しくない曲のような気がするのに・・・。

 それでも、私は一人口ずさんでいた。


♪さすらおうこの世界中を

転がり続けて歌うよ

旅路の歌を・・・♪


 今改めてアップルミュージックでこの曲を聞いてみると、胸の奥がじわーっと厚くなるのを感じた。

 なーるほど、そっかー、そうすればいいんだよな。世の中いろいろあるけど・・・、まあいいや。

 何だかよく分からないけれど、奥田民生の「さすらい」を聞いて、妙に納得したのだった。

 なんて文章を書いていたら、ようやく少しだけ心が軽くなったような気がする。

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