神奈川県警足柄警察署天童分署 裏口

 「あの音は何だ?」

 

 裏口を見張る板谷と飛田の耳にも爆発音は届いた。


 「くそっ」


 飛田は早くも銃を手にしていた。板谷が「落ち着け」と声をかける。


 「次の攻撃が始まったんですよ。様子を見てきます」


 飛田がドアに手をかける。


 「待て、今は持ち場を離れるな」


 そう言って止める板谷。見つめ合う、というより睨み合うようにお互いを見る。


 次の瞬間、二人を同時に衝撃が襲った。まるで大きな岩が身体にぶつかってきたような感覚があり、その直後、二人は声もあげずに気を失った。


 全身黒ずくめで頭にヘルメット、顔には防護マスクのような物をつけた者達が五人、二人の身体を見下ろす。太いスタンガンを持つ者が2人いた。


 五人は、板谷と飛田の身体を脇にどけると、音もなく分署に侵入した。

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