第3話


 (やべー、どうしよう・・・)



 高校生にとってジュース一本の価値は大きい。

 それこそ、オタバレと天秤にかけられる程に。


 ただし、天秤にかけるにしても相手が重要になってくる。

 オタバレしても気にせず受け入れてくれるメンバーか否か。


 受け入れられる確信があるなら打ち明けるのも手だろう。


 今後長く付き合っていく上で間違いなく楽だし、いい関係が作れる。



 (万が一受け入れられなかった時のリスクは大きいが・・・)



 そう、ここで選択を間違えると最悪高校三年間、オタクとしてボッチ生活になりかねない。

 しかし、今回の場合章吾という前例もある。

 


 (あえて本気で行くことでオタバレを誘うか)



 仮に失敗しても「章吾の影響で少し調べた」という言い訳もできる。



 「よーし、お前ら準備はいいか?」



 既に手を構え、準備万端な章吾に覚悟を決めた面持ちの三人が答える。



 「いつでも来いや」


 「負けないぞ~」


 「やってやるわ」



 三人の瞳には、同じ色の炎が宿っている様に見えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る