開示(2)

~新生魔王(超有力候補) アラタ・アンドウの純粋なる疑問 そのよん~



Q:

 じゃあおれ望まれてこの世界来たってことっすかね

 めっちゃ望まれてね


A:回答者…エルリア

 そうですね。



「ヤバそう……」

「ヤバいかな?」

「うん、やばいよこれ、ココちゃん。――なんとなく話の流れ見えてきました」

「どゆこと……?」

「犬娘にはわからなくていい。――ちょっと黙っててくださいよ、これは……」



~新生魔王(超有力候補) アラタ・アンドウの純粋なる疑問 そのご~



Q:

 だったら、

 さあ、


 おれが、

 さあ、

 もし、

 この世界に、

 望まれて、

 来たならば。


 おれが、

 こんなどうしようもねえ平和ボケしてた、

 イライラムカムカ、幼稚なセカイ、


 滅ぼすのって、

 当然じゃね?

 


A:回答者…エルリア

 ええ。その通りでございますよ、――正統魔王候補さま。




「ねえ、ねえ、イレブン……」

「――やっべえ」

「やばいよね、やばいよね、だってそれってあのひとがさ――」




~新生魔王(超有力候補) アラタ・アンドウの純粋なる疑問 その、最後~



Q:


 つーか、

 さあ。



 おれのあのしょうもない日常を見ててもおれを転生させたヤツはなにひとつ素知らぬふりして知らんぷりでいたってことでしょ?

 は? 死ねばよくね??

 もっと早くにおれを救えよバカ。おれ結局飛び込み自殺したんだぜ。

 なんだよそれ。おれが絶望するまで待ってたってことなの? は??????



 殺していいよね????????????




A:回答者…エルリア



 ええ――






 エルリアは、天使女王のひとりとして、エルフの長として、とてもふさわしく、うつくしい笑みを浮かべた。――妖艶な。




 はい。

 もっかい、です。

 もっかい、開示。



 つまりして神をも殺せる。

 つまりして神をも殺しうるし。

 つまりして神をも殺してよいと――天使のひとりに言われた彼の、それはステータスなのであった。



 そのためにあらわれたとさえいえるのだ、と。



 ★


 アラタ・アンドウ

 魔王有力候補


 HP :100

 MP :20

 ちから:21

 攻撃力:2100

 まもり:5

 防御力:500

 素早さ:34

 運  :1+∞


 魔力 :9999以上



 ★


 エルリアはもっともっと説明をしていった。

 これでいいのか? それでいいのか? と問う、


 アラタなる魔王――有力、候補の、質問、ひとつひとつに。


 そして説明もしてゆくのだ。



 ひとつ。パラメーターは、現実世界の

 とりあえず現実世界――というより、アラタが以前漢字で新であったその時代。

 その世界。

 そのときの、ステータスに、――とりあえず10倍をかけている。との、ことだった。


 体力ばかりはもともと10程度はあった。低いほうではあったけど、それでも毎日通勤ラッシュの電車に乗って通えるくらいには。

 だから、100。


 魔力というのは現実世界でそのまんま定義できるわけでもないから難しくはあるが、まあ2だったのが20にくらいのイメージらしい。

 精神力とでもいったものであるが、エルリアはこれをアラタに説明なさなかった。


 ちからも2だったから20に。

 プラス1の理由は後述。


 攻撃力は10倍どころかちからの100倍となっている。これも後述。


 まもりはもともとがとても低かった。だから現実世界でにっちもさっちもいかなく、なった。

 しかしそれにやはり――100倍である。後述。


 すばやさは3ちょっと――つまりちょっとしたイヤミからはさっと身を隠すが、残業を命じられたら逃げられないし、そもそも生きていくためににっちもさっちもいかなくて硬直してしまったので、3とか「判断をされた」らしい。



 運、は、例外。

 魔力、は、――とくべつ。

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