第4話

 翌日、スタッフと合流して、紅葉を起こし、僕は珈琲を淹れたりするためのお湯を沸かし始めた。

「今日の朝ごはんは誰が作るのかな? また僕かな?」

「お願いできますか? セナさんのご飯食べたいんですよ」

「いいよ。じゃ、作るからスタッフに珈琲配ってきて」

「はーい」

 紅葉に珈琲を配ってもらって、僕は朝食を作り始めた。

 打ち合わせの結果、国道を走って熱海側から小田原に行く事になった。

「んじゃ、行くよー」

「小田原楽しみだね。莉桜」

 暫く走って道志みちを抜け、山中湖を右手に眺めて、別の国道で熱海方面に向かって走る。ゆっくりと走って、五時間程経ってお昼前に小田原に到着した。

「着いたね! 小田原!」

「着いたよ。さすがに遠かったね。ゆっくり来たからそろそろお昼ご飯食べようか? 何食べたい?」

「お蕎麦(そば)とかどうです? 道中お蕎麦屋さん多かったですし?」

「じゃあ、そうしようか。莉桜もそれでいい?」

「大丈夫だよー! お蕎麦楽しみだなー」

「あ、じゃあ、小田原城の駐輪スペースにカブを並べて停めて行こうか」

 三人並んで蕎麦屋「寿ノ庵すのあん」に行く事にした。なにやら、九種の蕎麦が食べられるとのことで有名らしい。

「三名で、宿場そばを三つお願いします。あ、お座敷の方でお願いします」

 僕らは座敷に案内されて、蕎麦湯が出てきて暫くすると蕎麦が出された。

「あ、美味しい!」

「お蕎麦の香りもするし、天ぷらのも梅のやつもおいしいね」

 僕らはお蕎麦を楽しみ蕎麦湯も楽しんで、小田原城へと戻っていった。

 小田原城の駐車場に戻ったら、僕にとって凄く見覚えのある車が停まっていた。

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