第46回ワンライ「寂しくないですか」/記念写真

「セナ、兄貴と最後にあったのって何時なんだ?」

「いきなりだね、唯。 最後に会ったのか……突然会いたくなって、連絡取ったら晶が珍しく日本に居たから会いに行って過ごしたのが最後かなぁ、もう一ヶ月ぐらい前の話だよ」

 一ヶ月程前、僕が珍しく会いたいと思って連絡を取ったら日本国内で仕事をしてた晶、僕が会いたいと、連絡する事にちょっとびっくりしてた。

「セナが会いたいって珍しいねぇ……しかもちゃんと会いに行くってい

うのが尚更」

「唯は僕を何だと思ってるんだ?」

「え?キャンプと放浪好きの変人」

「変人か、間違ってはないな。でもね、唯、僕だって恋する事が出来る一人の人間なんだよ」

 そうだ、また後で晶に連絡取ってみようかな……話してたらまた会いたくなった。

「あ、セナ、今兄貴の事考えてるでしょ? ってか、会った時、兄貴何の仕事してた? 日本で仕事すること滅多に無いのに……」

「何故分かったし。後で連絡取ってみるだけだよ。仕事? 『寂しくないですか』ってタイトルの写真集で使うポートレートの撮影してたよ」

「へー、また写真集出すんだ。売れるもんねえ……セナは写ったの?」

「突然、僕が現れた事に対して撮影スタッフ大慌てでうちの会社に連絡して、許可取ってたね、ゲストとして僕も撮ってもらったよ。ツーショットとかもね、記念写真として後日写真貰ったよ」

 二人共ウェディングドレス着て誓いのキスしてるシーンの写真って僕以外に需要あるのかね……?

「家に飾ってるの?」

「んーん、家なんて滅多に帰らないから持ち歩いてるよ」

「あー、れんさんにイジられるからね」

「姉貴に見つかって結婚の話がポシャってるとか嫌だからさ」

「セナが結婚願望持ってるだと……。 ってか、戀さんの信用……」

「あるわけ無いでしょ? アレで大企業の社長してるのが不思議なぐらいなんだからさ。 結婚願望は晶と付き合い始めてしばらくしてから考

え始めたよ」

「そっか、まぁ確かに、話を聞くだけだと有能、会って話をすると何故社長として仕事してるのか不思議に思うもんね。 結婚式にはちゃんと呼んでねー。さて、私は仕事に戻るかな、セナは会いに行ってきたら?兄貴なら昨日辺りからまた日本に居るはずだから、兄貴がセナに会いたがってたよ」

「本当かい? なら会ってこようかな」

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