第28回「変わってるっていいと思う」/光

「セナ、僕の髪色ってさ、変じゃない?」

「変じゃないよ、どうしたの?」

「ふと、学生の頃髪色について苛められたなぁ……って思いだしてさ」

「あー、でもね、晶の髪色、僕は好きだよ。そもそもさ、うちの家系的

に薄紫の髪色ってだけじゃあね……」

 姉貴は紺、僕は金で、妹は銀、そんな髪色をしてる家系。異母姉妹と

か異父姉妹って言う訳じゃない、みんな同じ両親から生まれてる。

「晶の髪色が仮に異端とすると、僕含めた三姉妹、皆異端だよ?」

「え?どうして……あ、みんな地毛なんだっけ?」

「そうそう、僕は金髪、姉貴は紺色だし、皆気付かないけどさ、あの目、

左右で色違いなんだよ?」

「え?本当?気付かなかったなー」「妹は妹でアルビノかって位真っ赤な目に銀白色でしょ?」

「あー、普通にガン=カタの練習してた時はびっくりした」

「あれは姉貴を守るために始めたらしいねー」

 ゆっくりと時間が流れる僕らの会話、窓越しに差し込む光に反射して

キラキラしている晶の髪。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る