ワンライ

第12回「あの日のこと覚えてる」/ペアルック

「ねえ、セナ」

「どうした?」

「あの日のこと覚えてる?」

「唯の店で初めて会った時のこと?」

「ふと、思い出してね」

「あーなつかしいねぇ、今じゃあ、考えれないよね」

「まさか、僕らが付き合う事になるなんてさ」

 女性トップアイドルの座を獲得した僕と、男性トップアイドルの座を

獲得してる晶。

 晶のファンの娘達には申し訳ないけど、晶の隣は絶対譲れない。

 まぁ、晶のファンの娘達も僕のファンの人達も薄々気付いてるんだろ

うね、僕ら偶に同じデザインのネックレスしてたりしてペアルックしてたりするし。晶のスタイリストさん、困ってたなぁ……『今日の衣装に

このネックレス合わないんですけど』『じゃあ、衣装の方変えて』『…

…上に確認します』って感じで晶が頑なにネックレス外さなかったりす

るし、僕は僕で頑なにリング外さないから紅葉に怒られたなぁ……

「ゆっくりすすんでる僕らだけど、そろそろ正式発表してもいいかも

ね」

「じゃあこうしようか。来年、僕達が出会った日に記者会見をしよう」

「良いね、そうしよう」

「楽しみだね」

「セナのお父さんたちにもう一度正式に挨拶させてね」

「はいはい。またお父さん倒れちゃうから程々にね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る