第4話
部屋にノックの音が響き咲夢が入室許可を出す。
「失礼します。依藤社長に呼ばれてきましたが何用でしょうか?」
「二人ともよく来たね。じゃあちょっと座って。このくすんだ金髪頭が僕の妹のセナ。二人なら知ってるでしょ? セナ、こっちの二人。茶髪が
「あの、
「今はね。昔はすごかったんだよ。CD出せばミリオン当然だったし」
「おい、姉貴、過去の栄光はいいから僕の事ちゃんと説明しなよ」
「まぁそれもそうか。 二人は小学生頃の話かな? くすんだ金髪、きれいな青目ってテレビで見たことないかな?」
「へ? あのセナですか? 本当に?」
「まぁね」軽い感じで僕がそう答えると声が出ない位驚いたようだった。
一世を風靡した過去のアイドルが歴史だけはある変な会社で姉貴が社長になった途端右肩上がりに成長を遂げた役員会議室に居るって中々変な状況だよな、と自分でも思う。
ゆっくりと紫煙を吐きながらちらりと紅葉達の反応を見る。手で口を隠して驚愕した顔でこちらを見る二人を見て不意に笑いそうになった。
「それで? 結局僕はこの二人にどういう教育すればいいんだい?」
僕の部下になるといっても、僕は普段から会社に来ず、日本に留まらず世界を走り回る放浪人だ。僕についてくるとなると結構過酷かもしれないし、どうしようかな。
「どうしよっか、セナについて回って見分広めるってのもいいかもね」
「一応この二人は現役アイドルでしょう? そんな危険な目に合わせるのかい?」
「セナ姉も元とはいえアイドルじゃないか、変わらないよ。それにうちのケーブル放送で番組にしてしまえば安全性は無視できるよ?」
確かに、うちの会社はネジ一本からなんでもっていう形が売りの会社だけど、ケーブルテレビを持ってるなんて聞いてない。またどっかから買収でもしたのかな?
「僕はいいけど、二人はどうするの? そもそもアレかい? 僕が電撃復帰という体にするのかい?」
「そうだねー。そうするのが一番かな?」
僕の復活で何が起きるか、割と楽しみだけど。僕の生活が脅かされなければいいな。まぁそれはそれとして、二人と行動、しかもケーブルテレビのクルー付きでか、どうしようかね。
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