第591話 製材用の送り装置と丸鋸

因みに俺は、カンナやノミなどを異世界売買で手に入れた時に、丸鋸を見つけてしまったんだ。


俺が水車を動力源に製材をするために用意した刃物は大型ののこぎり。

あくまで水車を動力とし、シンプルに刃物が動くものを作ったのだが、丸鋸を見つけた時に、俺は別のも造ってしまったんだ。


テーブルに丸鋸の刃が出るような加工をし、テーブルの下には回転する丸鋸の装置と刃が。無論テーブルからは丸鋸の刃が三分の一ほど出るようにする。

半分出ると色々不具合があるんだよな。

そして動力は今回はやはり水車。

しかし魔石も使えるようにしておいた。


「なあカミラ、これどう思う?」

俺はカミラと出発前、丸鋸の刃は完成させていたから、後は木材の送り装置。


「テーブルの左右に幅の調整の可能なガイドを設置、上にも押さえを用意。そして水車を動力に木材を丸鋸に送るようにすれば出来る。この丸鋸なら素早く切れる。」


「結構大掛かりにするか?今は俺がいるからいいが、いなくなって、壊れたら終わりだぞ?」

「その時はその時。その時代の人が何とかしないと。」


結局送り装置も作った。


床にレールを設置し、床の上にはレールの上を動く台を用意。

レールの上を走るのに車輪も必要なわけで、車輪の加工はなかなか面倒だったがいいのができた。


やはりスキルは凄いな。

こんなレールや車輪がたかが一人の人の手で短時間でできてしまうんだからな。


そして俺は柱を中心に動く、簡単なクレーンまで用意した。

ワイヤーは鉄ではなく、太い紐。

傷めば取り換えが簡単にできる仕様だ。


実際製材を担う職人に製材を行ってもらったが、素早く、正確に、しかも寸法の調整が可能なのでその利便性に驚いていた。


本当なら回転式の糸鋸も用意したい所だが、あれは刃が消耗品なので駄目だ。

誰か別の人間が刃を用意できればいいが、あれは工作機械で生産しないと厳しいからな。


「流石旦那さま。いい出来。」


そう言うカミラだが、乾燥装置と共にあっという間に木を切る装置も作ったんだから、カミラも大概凄いぞ?と言いたい。

まあ、カミラの装置は小さい木を切る、どちらかといえば家具職人が重宝しそうなのだったけどな。

・・・・

・・・

・・


もう我慢ができないから俺は職人に装置を託し、クルーザーでカミラと過ごしている。


クルーザーのベッドで愛し合った後、そういえば俺寝てないな、とか思いながらカミラを抱き枕に寝てしまったようだ。


「私もそうだが、旦那さまも何か造る時は時間を忘れてしまうようだな。」


そういうカミラもずっと寝ていなかったらしい。

その後2人して半日ほど寝ていたらしい。


因みにカミラの股間がずぶ濡れだったのは、性的な意味ではない。

トイレに行くのを忘れてしまう程魔道具の作製に集中してしまうため、気が付けばその場でしてしまうからだ。

勿論浄化の魔法で綺麗になる、というのもあるだろう。

俺もそうだ。

俺も漏らした。漏らした傍から浄化してしまうからいいんだ。


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