第587話 レシティアの頑張りに少しは報いてやらねば・・・・

俺は今の今までそう思っていた・・・・

だが、レシティアは気が付いたようだ。

特に男の職人の場合、そこに支えてくれる女性が傍にいてくれたら?

「なあレシティア、これお前が考えたのか?」

「何の事じゃシモン?」

「ほら、男の職人のそばに女性が付き従ってるじゃないか。時に意見し、時に一緒に何かやってるようだが・・・・」


「・・・・言っている意味が分からんが、男女とはもともとこういうものではないのかえ?男なんてものはたとえ好みの服でなくても、モテるとわかればその服を着るものじゃ!それと同じなのじゃ!」


・・・・よくわからんが、レシティアが頑張ったんだろう・・・・


「レシティアありがとうな。」

「どうしたのじゃシモン!そんなに褒められては恥ずいのじゃ!」

俺は改めてレシティアの眼を見る・・・・

まだベッドで抱いてあげられないが・・・・


俺はそっと抱きしめて、思わずレシティアに口づけをしてしまう。

レシティアは目を見開き・・・・

泣き出した。

あ、いきなりはいけないよな?

「す・・・・すまん。キスするならレシティアに確認すべきだったな。」

「その・・・・違うのじゃ・・・・こうしてこんなキスをシモンからしてくれるのは、初めてじゃから嬉しいのじゃ!」

うわ・・・・そんな事を言われると・・・・

俺は何とか理性を総動員し、キスまででこらえた。


「何はともあれ、ありがとう・・・・」

俺はレシティアに心からの感謝を口にした。

「妻たるもの、夫のためには、これぐらいせねば”ナノ”じゃ!」


いやまだ・・・・

【どうしたのだ。もうレシティアもいい歳なんだから、抱いてやればいいのに。】

【そうは言うがなミルテ、俺の国ではまだレシティアの年齢は子供なんだよ。】

【そうか、それは難儀だな。だが・・・・下の方はなかなか収まってくれぬようだが・・・・私と致そうか?歓迎するぞ?】

【う・・・・後で・・・・頼む。】

【わかった。私にも子がなせればいいがな・・・・】

【・・・・】

俺はミルテを幸せにできるのだろうか?

彼女ほどのいい女が、俺の秘書をしてくれるなんてな・・・・

しかも、俺の知らない世界の元住民だ。考え方も違うしな・・・・

それにレシティアだ。

あいつは俺の所にいて幸せなのだろうか・・・・

もっと違う相手の方がいいのでは?

「我はシモン以外考えられんのじゃ!」


まあ・・・・レシティアがそう言うならそうなのだろう・・・・

「ミルテ殿はいいなあ・・・・」


レシティアが突然ミルテにそう言いはじめる。


「どうしたレシティア。まだシモン殿はレシティアをある拘りから抱けないらしいが・・・・その事か?」

「そうじゃ!ミルテ殿はもう何度も抱かれたのだろう?」


「無論何度も愛し合った。だが・・・・私からすれば、シモン殿のレシティアに対する扱いは特別だ。きっとレシティアだけだな、こんな特別扱いしているのは。」

「え?そうなのかえ?」


「ああ・・・・女が抱いてと言えば、シモン殿は抱く。だが、レシティアだけには我慢している。それだけ大事なのだろう・・・・」


いや、単にまだ中学生ぐらいの年齢の女の子を抱くとか、俺の中では完全アウトなだけだぞ?

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