第585話 レシティアに建物を案内してもらう

さて、あっという間に工場が出来上がったのだが・・・・


どうやってこんなに早く出来たのか気になるじゃないか?


出来たと言ってもまだ中は出来上がってないらしく、レシティアの案内で見に行く事に。


一応ミルテもついてきている。


「ほう・・・・レシティア嬢はなかなかのやり手だな!」

ミルテがレシティアをほめている。


「うん?ミルテ女史はどうしたのじゃ?我をほめても何にもならぬぞ?」

どうしたレシティア、えらく謙遜だぞ?


「わずかの間にここまでの建物を用意するとは、早々できないと思うぞ?私はこういった事に関しては疎いが、こんな数日で建つものではないだろう?職人の手配や材料の手配等々、相当大変だったのではないのか?」


「えっと・・・・そうなのか?我がちょいちょいとお願いをすれば、皆が動いてくれるのじゃ!我が凄いのではないぞ?我のお願いを聞いてくれた者が偉いのじゃ!」


・・・・いや、何かおかしいぞレシティア。

俺はミルテと顔を見合わす。

「なあレシティア、どうやって頼んだのだ?」


「うぐ・・・・それは秘密なのじゃ!秘密じゃが、別に我が誰かに抱かれたり、裸になったりはないのじゃ!我を抱いてよいのはシモンだけなのじゃ!」

顔を赤くしながら抱き着いてくるレシティア。

まだ俺の守備範囲じゃないからな・・・・まあ少し優しく抱き返してあげるか。

「もっと強く抱きしめてもよいのじゃぞ?」

「いや、そんな事をしたら大事なレシティアの腰が折れちまう。」


「大事・・・・大事なレシティア・・・・大事なレシティア・・・・ふふふ・・・・」

・・・・大丈夫か?



「レシティア、そろそろいいか?」


「あ!その、すまぬ・・・・つい・・・・」

名残惜しそうに離れて行ったぞ・・・・

「今は皆一生懸命内装を仕上げてくれておるのじゃ!色んな設備もじゃ!」


中に入ると、皆張り切って仕事をしていた・・・・

だが、何か変だ。いや、皆普通に仕事をしているし、適材適所?

男がした方がいい仕事は男がしているし、女がした方がいい仕事は女がしているが・・・・しているよな?

なんだ?この違和感は。

「なあミルテ、俺なんだか違和感を感じるんだが、どうだ?」

「私にはこのような知識はないぞ?それ故違和感は感じないがな・・・・だがまあ、何だか男女が仲良く仕事をしていて、いいじゃないか!」

??

今ミルテは何を言った?

そうだ、男女が仲良くやってるんだ!

普通職人は異性が・・・・特に男の職人は仕事中に、女が入り込むのを嫌う傾向があるが・・・・

だが嫌うどころか、あんなに距離が近い・・・・

俺は今まで何か盛大な勘違いをしていたんだろうか・・・・


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