第582話 冷静なミルテ、興奮状態の口田
ミルテ視点
「彼はいつもあんな感じなのか?」
ミルテは俺が暴走してしまって、取り残されたメンバーに尋ねる。
「私は存じません。ただ、口田様はこのダンジョンを一人で走破できる実力者。宜しいのでは?」
クシーと言う人工何とか・・・・ホムンクルスらしいが・・・・
微妙な答えだな。
「そこの獣人の3姉妹?どうなのだ?」
「え・え?ええとですね・・・・えへへ?私達ベッドの上ではものすごい旦那様を目の当たりにしちゃってるから、今更驚かないというか?」
エミリーとか言う、口田士門が気にかけている女か。
そんなに凄いのか?
そう言うのもいいな。
「何言ってんだよ姉貴!ありゃあ獣だよ獣!まあ俺らも似たようなもんだけどさ・・・・盛った俺ら3人相手に打ち勝つんだぜ!」
男前なナタリーと言ったか?
3人相手で負けてない?一体どんな体なんだ彼は?
「あ、ええとですねえ・・・・ミルテ様あ?旦那様はあ?お目当ての物を見つけちやうとお、夢中になっちゃうんですよねえ?それにい?ベッドではあ、やっぱり夢中になっちゃうんですよねえ?」
おっとりなソフィと言ったか?
・・・・彼は夢中になるとああなるのか・・・・
一寸考えないといけないな・・・・
そう思ってみていたミルテだが・・・・
「おお!いるじゃないかあ!待ってよヴィキューナちゅわあああん!」
我らが領主様はただいま暴走中。
ヴィキューナと呼ばれる・・・・馬?生き物は何て素早いんだ・・・・
しかもそれを平然と走り回って追い回してるとか・・・・
あ、崖・・・・
ヴィキューナは崖から飛び降りる事もなく、宙を駆けていく・・・・
あれでは冒険者は捕獲、仕留める、も難しいだろうな・・・・
そして我らが領主様は・・・・
同じく宙を駆けている。
あれ、人間か?
そしてついに追いつき・・・・
「うへへ・・・・つーかまえた!」
そう言いつつ、首を絞め・・・・
ドロップしたようだな。
・・・・ニコニコしながらこっちに来る。
「ミルテ!どうだ!これがヴィキューナだ!そして・・・・お前ら、簡単だろ?」
・・・・何をもって簡単なんだか・・・・
「おい、何をどうしたら簡単なのだ?宙を駆けるとか、普通の人間には無理だぞ?」
へ?と言った顔をする口田士門。
そしてクシーさんが割って入る。
「先程のヴィキューナとの一戦、通常の人では再現できないでしょう。もっと現実的な戦術及び行動を推奨いたします。」
「え?何言っちゃってんのクシーさん?俺ただ走って捕まえて首絞めただけだぞ?」
「あの素早いヴィキューナを追い回せるのは、マスター以外に存在しないと認識しております。」
困った顔をしているな・・・・
「・・・・エミリーたちでも無理か?」
「ええ?無理無理!」
「そうだぜ旦那!追い回すのは何とかなっても、首に手を回すとか無理無理!」
「そうですわあ?それにい?こちらの採取されるメンバーわあ?どう見ても素早い動きはできませんからあ・・・・もう少し・・・・この人達の身体能力をお・・・・」
「え?マジで無理?」
私は盛大にため息をついて・・・・
「旦那さま、もう少し自身の力を把握し、普通の人との差を考えないと、この先採取は難しくなるのではないかな?ヴィキューナを定期的に仕留めるには、だんな様一人ならあれでいいかもでしょうが・・・・」
「そ・・・・そうか・・・・少し考えよう・・・・」
分かってくれて何よりです。
そしてクシーさんが・・・・
「落ち着かれましたら、ぜひマスター、私達のお相手を・・・・皆さんお待ちしてますから。」
「ああそうだったな・・・・クシーさんのお陰だしな・・・・ちょっと待ってくれ。」
・・・・大丈夫か?
このホムンクルスは今、
困っただんな様の一面を見つけてしまったミルテだった・・・・
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