第581話 ちょっと待て、ヴィキューナはどうなんだ?
「ちょっと待て、ヴィキューナはどうなんだ?」
俺はそう、蚕の事で忘れそうになったが、ヴィキューナが定期的に手に入れば・・・・
「あ?あの白いボーッとしてそうで、やたら脚のはええ奴か?」
「そうだナタリー。何だ、知ってるんじゃないか?」
「ああ、ありゃあ駄目だな。」
「何で駄目なんだ?」
「早すぎてな、俺達じゃ捕まえられんと言うか、ダメージ与えられないんだ。」
「そうなんです。私達何度か話に聞いていたので、挑んでみたのですが・・・・」
「そうなのよう?罠もあっさり回避しちゃうのよ?」
獣人三姉妹で無理か・・・・
「じゃあ魔法では駄目なのか?」
「あ、そりゃあ更に駄目だな。」
「なんでだ?」
「冒険者が居すぎてさ、脚のはええあいつに当てる前に、他の冒険者に当たっちまう。」
・・・・それは・・・・
「なあそのダンジョンと言うのは、ここのダンジョンとは様子が違うのか?」
ミルテは知らないよな・・・・
あ、それよりここにはいないのか?
「クシーさん、このダンジョンにはヴィキューナっていないのかい?」
「いますよ、77層に。」
「え?」
「ええ?どうれましたか?口田様におかれましては、コードバンに目が行っていたようですが、ヴィキューナはいます。」
マジか!そういや馬はいるんだ・・・・馬みたいなヴィキューナがいてもおかしくない?
「アルパカもおりますが。」
アルパカ・・・・突き詰めればヴィキューナもアルパカだからな・・・・
もしかしてアルパカに交じっている?
しかしながら・・・・以前は気が付かなかったな・・・・
そしてクシーさんの指摘・・・・
「あの時、口田様はダンジョンのエリアの一部しか探索なさっておられませんでした。その見ていない場所にいます。」
「そうか・・・・しかし都合がいいな!今は76層、次の階層だろ?これはマジラッキー情報だ、ありがとうクシーさん!」
思わず抱きしめる。
「ご褒美は・・・・後で私達をタップリ可愛がって下さい。」
「おうおう!いくらでもかわいがるぜえ!待ってろヴィキューナああああ!」
俺はこの時スルーしてしまっていたが・・・・
そうだ、クシーさんは私を、ではなく、私達を、と言っていたんだ・・・・
後でとんでもない事になるんだが、まあそれは今はどうでもいい。
今はヴィキューナだ!それにコードバンも待っている!!!
あ、もしかして77層にいるって知ってた?
「なあナタリーさんや?」
「なんだよ気持ち悪い言い方しやがって!」
「この下にヴィキューナいるって知ってた?」
「知ってるも何も、今から行くんじゃないか?まあ俺らも何度か戦おうとしたけどよ・・・・この階層は他の奴らも暴れるからよ、ティンドール以上に無理だぜ?」
ふっ・・・・今は幸いな事に俺がいるのさ。
ドンドン刈るぞ?待ってろヴィキューナちゅうわああんん・・・・
「よろしいのですか?ミルテ様。口田様は少々興奮なさっておいでですが。」
「あいつの実力なら問題ないだろう。問題なのは、あいつが居なくても刈れるかどうかさ。」
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