第572話 マウリシオさんがまさかの拒否
「じゃあ会う日時などの調整は頼むよ、バルトサール。貴族ってこういう面倒事が多いんだな。」
「まあこれも仕事の内と思い諦めて下さい。貴族の当主と会うのは、口田様以外では駄目ですからな。」
「まあ緊急以外のアポなし突撃だけは絶対止めてくれ。どうしても急いで会う必要があるかどうかは、バルトサールの判断に任せる。俺はちょっとマウリシオさんの所に行く。」
「畏まりました。ではあの女性達の件、お任せいたします。」
そう言ってバルトサールは去って行った。
・・・・今後の事を考えると色々考え物だな。
そんな事を思っていると、腕にレシティアがしがみついてきた。
「さ、二人っきりになったのじゃが・・・・どうじゃ?」
何を?と野暮な事は聞かないが・・・・
「今は駄目だぞ?」
「じゃあ夜か?」
「夜も駄目だぞ?後数年待て。」
「・・・・そんなに待っては老いてしまうではないか!」
いやいや10代半ばの少女が何言ってんだか。
「この話はここまでだ。さ、マウリシオさんの所に行くぞ?」
「シモンのいけず・・・・こんな美少女が迫っておるのだぞ?」
「美少女はもっと慎ましくしていてほしいな・・・・と、さあ行くぞ?」
「慎ましくといいながら、我の胸を凝視するのは止めてくれ・・・・」
・・・・あ?気にしてるのか?まあ慎ましい胸だからな・・・・
そんな阿呆な事を考えつつ、マウリシオさんの今いる部屋に向かった俺とレシティアだった・・・・
・・・・
・・・
・・
・
ここには今俺と3人の秘書、知見寺と木滝、10名の女性魔術師がいる。
「わざわざお越しいただかなくても・・・・」
マウリシオさんは恐縮そうに言うが、
「まあ気にするな。で、どうなんだこいつらは?」
俺はマウリシオさんがなんだかんだ言って預かってくれると思って聞いたのだが、帰ってきた返事は意外だった。
「申し訳ございませんが、私では手に余ります。」
俺は今までマウリシオさんがこう言った反応を示すのを見た事が無かったので驚いた。
「駄目なのか?」
「さようですな。先ず館勤めに向いていないように見受けられます。」
それは仕方ないだろうと思ったが、先を促す。
「まず男性2人でございますが、私のような勤めを一切した事が無く、もし館勤めをどうしてもと言われますならば、一から教育をする必要があり、数年かかります。そしてこちらの女性ですが、やはり今まで奉公をした事が無く、働いてもらうのに一から教える必要ございます。」
「うん?1人もいなかったのか?こう言った場で働く女性って?」
俺は疑問に思ったので聞いてみた。
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