第555話 指輪とナイフと

・・・・どうやらミルテは少しMの願望があるようだ。

「そ・・・・そうか・・・・だが・・・・もう・・・・しないぞ?そう言うのは。」

「そうか・・・・それはそれで残念だが・・・・まあいいさ。さて・・・・私は本気で口田士門を愛したい。受け入れてくれるか?」

・・・・あ、言われた・・・・場所をかえて言おうと思っていたのだが・・・・


「ああ、ミルテは本当に俺でいいのか?今の俺と一緒になるというのは、今後もずっと一緒に居ないといけないんだぞ?」

「ああ、元からそのつもりだ。神とやらとの戦いになるのだろう?その時は・・・・私も連れていってくれるのだろう?」

「ああ・・・・だが、その前にだな・・・・人として生きている間に、子を産んでおいたほうがいいとは思う。」

「ああわかった。では、私・ミルテ・マデロン・マルヨレイン・ヤコーバ・ファン・デル・ハーフは永遠に口田士門の妻として、生涯を共に過ごす事を誓おう。」

・・・・これはどう対応したらいいのか?わからないから俺は・・・・指輪と、ナイフを出す。このナイフは特別製だ。

「ミルテの気持ち、嬉しい。そして、俺は言葉ではなく、これで表そう。だがまあ・・・・ミルテ、俺の妻になってくれ。俺の国ではこれは・・・・婚約指輪をはめてもらうのだが・・・・結婚すればこれ即ち結婚指輪・・・・無論人によっては別々の指輪も用意するだろうし、結婚指輪だけ、と言う夫婦も多い・・・・俺は、後者の方だがいいよな?受け入れてくれるなら・・・・左手を出してくれ。」


ミルテはそっとひらり手を差し出す。

俺は薬指にそっと・・・・指輪をはめる。

俺の特製指輪は、大きめのサイズになっていて、自動的に指にぴったりとなるようにしてある。

そして色々な付与がなされている。


「ふーん・・・・?指輪をはめるのか、そして・・・・その指輪は、お揃いなのだな?」

「ああ・・・・万が一があっても、その指輪をはめていれば、常にミルテがどこにいるか分かる。別に監視するわけじゃないぞ?」

「それは分かっているさ。それとこのナイフは?」

「ああ、一度使ってしまったが、俺の妻には皆渡している。ミルテは武術の心得があるから必要かどうかは分からないが、万が一の時はそれで身を守れるだろう。一度本人の血を吸わせれば、必要な時に手に現れるようになっているが・・・・既に血を吸ってるからな。念じて見てくれ。ナイフは消えるはず。」

ミルテは右手を見てナイフに何か念じると・・・・消えた。そしてもう一度・・・・念じると、今度は現れる。


「なるほど凄いなこれは。何せ私の身体はスキルで強化されているからな。普通のナイフでは傷一つつけられないので、不思議には思っていたのだがな。」

・・・そうなのか?まあいいさ。

「今後ともよろしく頼む、ミルテ。」

「ああわかった・・・・旦那さま。」

こうして、自他ともに認める夫婦になった2人だった。

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