第542話 カミラ・ギュードゥルン・ガブリエッラ・ダールクヴィスト
俺がそう思って、少し油断したのかもしれない。
彼女はベッドの上に立ち、俺を呼ぶ。
「口田士門、こっちを見て。」
俺は振り向いた。
丁度背の高さが同じぐらいだ。
そこで俺は彼女の目を見てしまった。いや、今までも見ていたが、何かおかしい。
一瞬だが、俺は動きを阻害された。
そしてこのちびっこ勇者は・・・・俺は決してロリじゃないとだけ言っておこう・・・・俺の首に腕を回し、口づけをしてきたのだ。
しかも舌を入れるとか超濃厚なの。
がきんちょのくせに目が潤んでる・・・・?
そう思ったら、頭の中が突然真っ白に・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「姫!いけませぬ!リアレプトには敵いませぬ!ここは撤退を!」
「駄目だ!見ただろう?あちらの部隊は降伏を申し出たが、皆殺しだ。撤退しても追撃してくるぞ。」
そして姫と呼ばれるこの少女の目の前に現れるデブ・・・・リアレプト。
「ようやく探し当てたっと思ったら、こんなまだ胸もないクソガキだったとは、吾輩無念。」
「姫に対し何たる無礼!」
「やめなさい。貴方はリアレプト本人ですね。なぜこのような野蛮な行為を?」
「ここに吾輩の求める女がおると聞いてな、やって来たはいいが、ほれ、そのクソガキがまさかの吾輩の求める女だったのだ。こんなクソガキでははめられぬではないか!吾輩無駄足。」
「それでどうするのですか?」
「クソガキを連れても仕方なかろう?ここを全て焼き払い、吾輩ハーレムに帰る。」
「・・・・私が成長すれば、あなた好みになるのでは?成長を見るのも男の楽しみと思うのですが?」
「なん・・・・だ・・・・と!そうか・・・・その手があったか・・・・?吾輩の女、どんどん吾輩の子を産むが、その間はめられぬからな。む・・・・どうするか吾輩大いに悩む。」
リアレプトが悩んでいる間に、この少女の側近が何やら渡す。
「姫の処女をこのような輩に奪われるわけにはまいりませぬ。残念ですが、致し方ありませぬ。こちらをお飲み下さい。」
「これは?」
「いざという時にと姫様の御父上から預かってまいりましたナノマシンでございます。2機ございます。一つは成長を阻害し、一つは貞操帯です。ナノマシンが万が一の場合に姫様を守って下さるでしょう。これをもってすれば姫様はずっと処女でいられます。」
「だが・・・・」
「仕方ありません・・・・カミラ・ギュードゥルン・ガブリエッラ・ダールクヴィスト、汝に求めるのは永遠の処女。願わくは想い人が現れ、すべてを解放されん事を・・・・は!」
そう側近が言い放つと、そのナノマシンは少女の体内へと消え去った。
「あ!そこのメス!何をした!」
「姫様は渡しませぬ!」
「いけません!リアレプト、私が行けばいいのですか?」
「ああ、この世界の勇者を吾輩のコレクションにしたいのだ!このクソガキさえ手に入れられれば後はいらぬ!吾輩無駄な事はせぬ主義じゃ!」
「じゃあ連れていって。」
「く・・・・美女と聞いておったので期待しておったのじゃが、吾輩無念無念無念・・・・こんな事で負けるとは・・・・今後の成長を期待するとしよう・・・・ついて来い。」
・・・・
・・・
・・
・
は!今のは何だったんだ?
「今何をしたんだ?」
「大したことはない。キスもまだのまま死にたくないので、キスをした。」
「死にはしないさ。」
カミラ・ギュードゥルン・ガブリエッラ・ダールクヴィスト
このちびっこ勇者の名前らしい
元の世界では姫、そして勇者だったようだ。
そしてリアレプトは、勇者を集めるのが趣味だった?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます