第532話 ネクロマンサー
俺は一息ついて、さらに説明する。
「色々飛んで申し訳ないが、次に話さないといけないのは、ここに攻めてきた帝国兵だ。知見寺と木滝が率いていたのだが、彼らのスキルの中に、おそらくネクロマンサーと言われる、死んだ人や魔物を操るスキルがったはずだ。まさしく使い捨てのごとき酷い扱いだっただろう、帝国兵は?」
「確かに悲惨でしたな。死ぬのもお構いなしに堀に突っ込ませ、どんどん兵が死んでいく。最終的に、考えられない作戦、死体で堀を埋め、その上を通過するというトンデモな作戦と言っていいのか・・・・ふつう絶対しない作戦でしたからな。」
バルトサールは俺のそばでずっと見てたからな。あの作戦の異常性に驚いていたはずだ。
「最終的に、死んだ帝国兵を操って、という作戦は実行前にそのスキルを所有していると思われる2人を拘束したからな。そうはならなかったのだが、何ともひどい作戦だったよ。」
自分で言っといてなんだが、これ聞いてる側何がどうなってるのか理解しがたいだろう、すまん説明が下手で。
「そして・・・・2人のあのスキル、そのうちとんでもないのが洗脳と話術だ。話術は、俺も言い負かされた事がある。そして、君らもほぼ全員その効果を目撃しただろうが・・・・相当数の帝国兵の洗脳、君らも何人かは洗脳されていただろう?俺の渡したミサンガで回復したはずだが。」
実際バルトサールやダミアンは洗脳されていないが、戦った相手は洗脳されていた帝国兵。
そんな中、バルトサールのお相手の女性は、召喚者で、やはり洗脳されていた。
「最終的に何が目的かは分からないが、リアレプトはこういったスキルを多数所有していた。そして知見寺と木滝にそのスキルの一部を授け、帝国を乗っ取った。かくいうアウグスティンも洗脳させられていたな。」
俺がアウグスティンに話を振ると、アウグスティンは
「申し訳ないですが、気が付けばすでに手遅れ。洗脳と隷属化・・・・全く抵抗できず、申し訳ない。」
「今は回復したからいいだろう。そして今、帝国を支配している人物はいなくなっている、つまり不在だ。今後はアウグスティンが帝国を治められるよう、俺も手助けはするつもりだ。だが・・・・俺自身にも問題が発生していてな。」
俺がそこでまた一呼吸をつくと、バルトサールが聞いてくる。
「口田様、それはどういう事でしょう?」
「ああ・・・・まだ何とかなるかもしれないが、俺はどうやら神の問題に深く首を突っ込みすぎたらしい。その代償は・・・・他国へ攻めたりできなくなってしまったようなのだ。さらに言えば、他国への介入もできない。ましてや連邦を作ろう、そしてその代表に俺、というのが不可能になってしまったようなのだ。神には・・・・絶大な力がある。だが、その力ゆえに制限も多いようなのだ。」
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