第527話 ミロスラーフ・クプリヤーノヴィチ・ウサーチェフ

俺は頭の拘束具を外した。


この拘束具、


鑑定してみたが、神のアイテム・・・・つまり、女の神が処女を失った時に得たアイテムの一つのようだ。これ以上は鑑定不可と出た。


暫くして、拘束具を外された男が立ち上がった。


「・・・・口田士門殿ですな。私はミロスラーフ・クプリヤーノヴィチ・ウサーチェフ。元勇者です。助けて頂いた事、感謝いたします。」


何だかロシアっぽい名前だな。

「よく分からんが、この拘束具なのか?外れたが問題ない?それと、何で俺の名前を知っている?名乗った覚えはないぞ?」


ミロスラーフと名乗る男は俺に警戒するでもなく、話始める。


「白河小次郎氏の身辺を調査している時に、貴方の事は・・・・白河小次郎の同郷ですから、それなりに調べさせてもらったのですよ。ああ、それと、こちらは私の息子、クサーヴァー・クプリヤーノヴィチ・ウサーチェフです。」

・・・・よく分からんな。元勇者とその息子?

いや、他にも勇者と名乗る輩が捕らえられていたから、有りえなくはないのか?


この2人について、話を聞いたのだが、驚くべき事実が分かった。


30年ほど前、彼は勇者として、魔王を討伐したらしい。

だが、討伐後、魔王は・・・・殺したのだが、数年後にまた復活するという事実を突き止めたようだ。だが、勇者と言うのは、魔王を討伐すれば、その能力が消え去るようで、このミロスラーフという男も、魔王を討伐した直後に勇者ではなくなったらしい。


彼は勇者になる前、元々シュラハト連邦と言う国出身らしいが、息子のほかに妻と娘がいたようだ。

そのうち、娘が・・・・予知能力があったようで、魔王討伐後、娘の予知に従い、色々行動をしていたらしい。


主な目的は、魔王が復活できないようにするにはどうするか、それに長い年月をかけてきたらしい。


そんな中、彼は・・・・神の争いに巻き込まれたらしい。

娘の予知に、魔王以外にもっと重大な予知があったので、そちらも調べていたようだが、白河さんと、神であるデアさん・・・・女神の上司?が接触を持った頃の話のようだが・・・・デアさんを追っていたリアレプトが、白河さんに目を付けたようで、白河さんをひそかに守らねば大変な事になるとの予知があったようで、それに従い、リアレプトから守っていたようだ。

リアレプトも神として人間に直接介入しずらく、領地に侵入し、ゲートやアイテムを複製したり、洗脳した部下に色々させていたり。


そんな中、リアレプトはターゲットを白河さんに定めたようで、執拗にちょっかいを出していたようだ。


娘の予知で、危険を察知、何とか回避をしていたようだが、時には間に合わず、リアレプトは白河さんの日本に居る奥さん、子供をこちらの世界に引きずり込み・・・・その時に無理やり異形の生き物にさせられたらしいのだが、上手く白河さんを誘導し、事なきを得たり。

また、白河さんには多数の奥さんがいて、どうやら白河さんも精神に異常をきたしているらしく、これを落ち着かせるために、各地に散っていた白河さんの奥さんの出産に間に合うよう、本人にばれる事なく誘導したりと。

また、本国の軍に所属し、セアリアス帝国に侵略・・・・これは本来の目的は予知でシラカワさんの妻にならないといけない女性を、白河さんと結ばせるためにだったり・・・・よく分からないけれど、そう言った活動をしていたらしい。

時には間に合わず、セアリアス帝国の皇帝が大けがを負ってしまったり・・・・


すまんが色々ありすぎて、よく理解できない。知らない事が多すぎる。

更には現勇者のパーティに息子を潜り込ませ、これまたリュークと言う青年をパーティから引き離さないといけないとの予知に従い離脱させたり・・・・

よく分からないが、この時パーティの娘さん3人の怪我を治させるようにも誘導したらしい。

時間があれば何かに纏めたいな。さっぱりわからん。

そして、最終的に今から10年と少し前?白河さんが魔王を討伐できるように誘導し、見事討伐。



だがこの時、彼と息子は魔力を使い果たし、リアレプトの急襲に対応できず、深手を負い、逃げていたが、急襲を受けた時に何やら魔道具を仕込まれ、回復もままならず、遂に5年前に捕獲されたらしい。この間に俺は召喚され、この男性は俺と白河さんの接点も調べていたようだ。


その後は・・・・頭に拘束具を付けられ、情報を吸い上げようとするリアレプトからずっと抵抗していたらしい。


謎な人物だ・・・・しかもそれを俺に言ってどうなるんだ?

それと、白河さんが魔王を討伐したのは今から10年前?

この2人がリアレプトに拘束されてから約5年?

5年追い回されてたのか?




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る