第526話 白河さんを知る男
俺達は倒れた男性に駆け寄る。
「どうした?」
すると、息子?がこちらを見る。
「助けて頂いた事には感謝いたしますが、どうぞ放っておいて下さい。対処方法がありますから。」
そう言いながら何かその、倒れた男性の頭をまさぐっている。
「くそ!間に合わないか・・・・やっと僕の方は外す事ができたというのに・・・・」
・・・・床を見ると、何か頭に装備するようなものが落ちていた。
俺がそれを見つけ、拾おうとすると・・・・
「触れては駄目だ!何してんだよ!」
驚いた。このアイテム?拘束具とか、呪いのアイテムとか、そんなたぐいか?
そして倒れた男性も、自身の頭の周りを、触れないように何かしている。
「ぐ・・・・時間が・・・・ここなのですよ、クサーヴァー・・・・だが、クサーヴァーの魔力ではどうにもなるまい。私も魔力が尽きる・・・・リアレプトがいたので何とかなっていました、いなくなればいなくなればで厄介ですね・・・・」
俺はこの2人をじっと見ていたが、やはりあのデブに何かされていたのだろうか?そしてよく見ると、何やら魔力の流れに違和感がある。
「余計なお世話かもしれないが、それを外すのだろう?何やら魔力の流れに違和感があるからな、多分そこを対処すれば何とかなるだろう。」
すると、この先ほどクサーヴァーと言われていた息子か?が反応を示す。
「ぐ・・・・時間さえあれば、私達2人でも対処できるんだ!」
「そんな事を言ってはいけませんよ、クサーヴァー。そして・・・・君は、その姿だ・・・・きっと白河小次郎の同郷なのだろう?」
俺は驚いた。まさか白河さんを知っているとは思ってなかったからだ。
「何で白河さんを知ってるんだ?」
「知っているも何も、何度も会いましたからね・・・・そしてあのリアレプトは、白河小次郎、ひいてはそのパートナーのデアと言う女の神の行方を必死になって探していましたからね。
そしてちょっとしたミスで私達親子は捕まってしまい、リアレプトは私達が白河小次郎と深いかかわりがあるのに気が付いたので、私の頭の中を覗こうとこのような装置を付けたのですよ。因みに奴の洗脳などのスキルは私には意味をなさなかった結果・・・・まあこの魔道具なのですよ。」
「だって父さん!やっと魔王を退けたのですから、あの時私達の魔力はほとんど残っていなかったではありませんか。」
「そうは言いますがね、あの時私達は直接魔王とは対峙しなかったのですよ。そんな私達が退けたとかいうものではありません。」
「だけど・・・・あの時、白河さんを守ってリアレプトの矢面に立ったのはお父さんですよ!」
「ですが、結果私はあいつに敗れ去った訳ですよ。」
「だけど!」
「もうその話はしてはいけません。」
・・・・何だこの2人は。違和感満載だな。だが・・・・とにかくこの頭の拘束具は外してしまおう。
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