第596話 あれからかなりの月日が経った

神になってしまった俺達は邪神と戦うべく、ノエラを中心とした神の集まりに参加し、対策をとっている。

時には大胆に攻めたり・・・・主に俺なんだが・・・・


「仕方がないのだ!我ら元々神より、口田士門の方が強いのだからな。」


・・・・下手をすればこの地を破壊してしまう勢いの邪神。


そんな奴らを野放しにはできん。


そう思って活動をしていたが・・・・


現実はかなり厳しい。


俺の息子、娘がどんどん死んでいくのだ。


正直辛い。


最も皆子を成し、血を継いでいっているのだから、本来の所為の流れに従って・・・・ある意味羨ましい。


そして珍しく世津がやって来た。


「士門さん・・・・私の最後の息子が・・・・死の床に伏しています。」


・・・・結局この・・・・世津の息子が領地を継いだんだっけ?

兄弟の中でも一番長生きしたんじゃないか?


「まだ最初の子・・・・佐和さんの息子が生きていますけどね。」


そうなのだ・・・・俺に似たのか似なかったのか、結局あの公国やら王国をまとめ上げ、一つの国にしてしまったんだ。


それとは反対に、世津の息子はかたくなに俺が暮らしていた・・・・俺が築いた領地に固執していたようだ。


まあ・・・・兄弟同士で争うのでなければそれでいいのだがな。


しかし・・・・あいつは俺のいた領地をしっかりと守り抜き、さらに発展させてくれた。


「あの・・・・地上とは関わらないのが原則とは思うのですが・・・・最後に会ってあげたいのです・・・・」


「・・・・どうなんだノエラ?」


「・・・・駄目じゃ!・・・・・と言いたいが・・・・もう死にかけておるのだろう?」


「ええ・・・・もう100歳をはるかに超えていますから・・・・」


「わかった・・・・会ってやるがよい!」


「いいのか?」


「ああ・・・・其方も一緒に行ってやれ・・・・」


・・・・

・・・

・・


クチタ領の館


「おじい様!」


「おお・・・・皆来てくれたのか・・・・ありがたいな・・・・わしはもうすぐお迎えが来るのだ・・・・もう十分に生きた・・・・人間の兄弟で生き残っておるのは・・・・あと一人だけだ・・・・まあいい・・・・もう思い残すことは・・・・最後に父と母に会いたかったな・・・・もう100年会っていない・・・・」


御歳122歳・・・・


「ああ・・・・父上!母上!2人は変わらないのですね・・・・」


「おじいちゃん?」


「ああ・・・・いよいよだ・・・・みえないものが見える・・・幻覚症状・・・・」

「お前達何を言っているのだ・・・ほら、そこに・・・・」


言われた方を見ると・・・・確かに何かがいるようだ・・・・

やがて・・・・姿を現したのは・・・・


30前後の夫婦らしき姿だった・・・・


「あなた方は誰ですか?」


「・・・・君達のご先祖様だよ?」


「・・・・その子の母です・・・・そして・・・・あなたの・・・・ひいおばあさん?でいいのかな?ですよ?」


「・・・・父さん・・・・母さん・・・・僕頑張ったよ?」


「ああ、そのようだな・・・・よくぞ領地を守り抜いてくれた。」


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