第595話 俺の子供全員に集まってもらった
あれから更に月日が経ち、クチタ領はものすごい勢いで発展し、人口数十万人にまで膨れ上がった。
俺の子供のうち、成人しているものは例外なくクチタ領内にある各都市で領主になっている。
そして、これから成人を迎えようとしている数人にも、既に領地が割り振られている。
で・・・・子供を皆集めた訳だが・・・・
すまん、こんなにもいたのか?
人でない者もいるようだが・・・・人外?いやいや、神獣との間に子を成せばそうなるらしい・・・・
もっとも、ちゃんと人化できるらしいのだが。
「あ・・・・忙しいのにすまんな、こうして集まってもらったのには訳がある。」
ざわつく子供たち。
この中にはすでに結婚し、子供がいたりするのだが・・・・
え?俺もうじいさんだって?
そりゃあなあ・・・・見た目40ぐらいなんだが、もう実年齢は50を超えているんだよな・・・・
「俺が神に近しい存在になってしまったのは皆知っていると思う。お前達の母親も例外なくそうなった。だが、敢えてお前達は人として生きてほしいと思っている。だから、俺と同じ立場には敢えてしていない。」
「父上!どうしても駄目なのですか?」
「そうよ母さま!私も母さまと一緒に居たい・・・・」
年長の2人が代表して意見をする。
「・・・・一応言っておくが・・・・俺はもう年をとれない。お前達の母親もだ。元々寿命が長い種族もあるから一概には言えなのだが・・・・それに俺は召喚者だから、この世界に元々の知り合いがいないからどうって事はないんだが・・・・親しい奴ってのは結局妻なわけだし・・・・いいか、お前達は一緒に過ごした友達や知り合いがいるだろう?今はいいが、一緒の時を生きられなくなると、辛いぞ?」
俺がここまで喋ったが・・・・
「私は家族と一緒の時を過ごしたい!」
「僕もです!」
僕も私もと・・・・もう収拾がつかなくなってきた。
だから俺は皆の前で謝った。
「・・・・許してくれ・・・・」
一瞬で静まる部屋の音。
皆俺を見て、その表情から何かを察したのだろう。
何人かの娘が泣き出した。
さらに息子達も泣き出した。
「分かっていると思うが・・・・恐らく、今日が今生の別れになる。」
「いや・・・・いやです・・・・」
その時、ノエラとの間に生まれた子供が喋りだした。
「お兄様、お姉様、そして可愛い弟、妹達。私の母は元々神。なので私はお母様と一緒に行かねばならない。だけど・・・・うう・・・・みんなと別れたくないよう・・・・うううう・・・・」
他にも元女神との間に生まれた子供もそうだ。
ここに留まる子供、留まれない子供。
皆可愛い自慢の子供だ。
出来るならみんなに看取ってもらいたかった・・・・
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