第523話 とんでもない事になってた

「私は元々勇者でした。」


まず一人の男性がそう言いだした。



ええ?勇者って別にいるんだろ?


「俺が知ってる勇者はシラカワ領に居るはずだが?」


「・・・・その土地は知りませんが、私はこの世界の人間ではありません。恐らく今ここに居る他の救助された人々もそうでしょう。あのデブ・・・・リアレプトでしたか・・・・あいつに無理やり連れ去られたのですよ。」

「あいつ実際弱っちかったけど、抵抗できなかったのか?」


「ええ・・・・連れられた先があの部屋でしたから・・・・体を動かすこと自体が困難なほどでしたからね・・・・自身の能力も封印されていましたから。」


「私も似たようなものね。しかも女だから・・・・何度も犯されたわ。私は連れ去られる前に避妊手術してたから、妊娠はしなかったけれど。あ、勿論再手術したら、妊娠は可能よ?子宮の入り口を縛る手術って聞いてるからね。」


「女が勇者をするのって、そんな事しないといけないのか?」


「ええ・・・・私はそう聞かされたわ。万が一魔物に犯されて妊娠したら大変だし、それと、好みの男性に騙されて、結果妊娠しても問題だからって。役目を果たすまで・・・・って言われたわ。結果妊娠せずに助かったけど。」


・・・・凄いな・・・・あれ?でもそれって・・・・子宮じゃなく、卵管を縛るんじゃないのか?それと・・・・俺の記憶違いじゃなければ・・・・元に戻るのは難しいんじゃ?うわ・・・・騙されてるよこの女性・・・・


「なあ・・俺の元居た世界じゃ・・・・」



俺は説明すると・・・・


「え?えええ?それ本当・・・・?私・・・・赤ちゃんほしいのに・・・・魔王を倒すまでの間だって・・・・数年で済むからって言われてたのに・・・・うう・・・・酷い・・・・」


「残念。私は器具を入れてるよ。」


「私は少し違う。万が一の時に備え、クスリを口に仕込んである。」


「リアレプトによく気が付かれなかったな・・・・」


「口・・・・歯に仕込んでたからな。あいつはそこまで見ていなかったよ。」


「わたしはその・・・・こんな姿だから・・・・処女のままだ・・・・」



・・・・うん、1人女の子がいた。


まだ胸も出ていないような・・・・


「君、まだ幼いのに、勇者なのか?」


「・・・・これでも20歳・・・・」


「ええ?どう見ても10歳未満にしか見えない・・・・」


「・・・・これが私のとった避妊法・・・・まだ生理も来てないから、万が一犯されても妊娠しない。」


・・・・それぞれ勇者するのは大変なんだな・・・・



「で・・・みんなこれからどうするんだ?言っとくけど元の世界に戻してくれって言われても無理だぞ?そんなのが出来るなら、俺は元の世界に戻ってるからな。」

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