第520話 小さな子を殺めるのは、忍びない・・・・

「じゃあ、そのスキルが無くなれば、生かす事ができるのか?」


「・・・・そうじゃのう・・・・そんな事ができればじゃが・・・・」


「俺がやってやる。」


別の部屋の一画に、小さな子供と・・・・・母親か?女性が沢山いる部屋があったので、俺はそこに向かう。


全員自らの子を抱きしめて震えているようだ。

きっと俺が子を殺しに来たと思っているのだろう。


俺はついてきたノエミに聞いた。


「なあ、この・・・・母親か?それと子供は・・・・神なのか?」


「難しいの・・・・母体は元神じゃな。子は・・・・成長すれば神になるやもしれぬ。」


・・・・そうか・・・・



俺は一人、部屋の中に入っていく。


そんな中、1人の女性が・・・・申し訳ないが、皆裸だ・・・・丸見えだ・・・・あいつ、一体どういう趣味してたんだ?まさしくハーレムなんだが・・・・

ちょっと目のやり場に困りつつ・・・・


「私達を・・・・子供を、殺すのですね?」


・・・・必死にわが子をかばおうとしながら聞いてくるその様子は、痛々しい・・・・


「・・・・俺はあんたら神々の対立はよく分からん。その子は・・・・子達は・・・・リアレプトの子だな?」


確認の為にそう聞く。


頷く女性たち。


「同意なのか?無理やりか?」


「・・・・全員・・・・無理やりです・・・・ここに監禁されている女性は、すべてあの男に捕まって、このような状況です。ですが!この子には罪はないのです!どうか!せめてこの子たちだけでも!私達はどうなっても構わないので!」


・・・・母親たちは泣いている。そしてそれにつられるように子供も泣いている。


・・・・生まれたてから5歳ぐらいまでか?


こっちこそ泣きたいぞ?


そして・・・・どうやら俺には敵わないと分かっているのか、誰も手出しはしてこない。


・・・・どうするか・・・・


「俺は、出来れば誰も、もう殺したくはない。どうしようもないなら、仕方がないが・・・・俺には特殊なスキル?がある。その子たちにとって良くないスキルは・・・・俺が取り除こう。さすれば、ノエミが生きる道を考えてくれるだろう?」


俺はさりげなく、部屋の外で待機しているノエミに聞こえるように言ってみる。


「・・・・本当にできるのか?」


「任せろ!」


俺は目の前の親子に近づいていく。


「その子のスキルを確認し・・・・厄介なのは貰っていく。」


頷く女性。


う・・・・近づくとその・・・・胸が・・・・見える・・・・


俺はバスタオルを取り出し、渡す。


「すまんが気が散る。隠してくれ。」


そして・・・・人数分のバスローブと、子供用の服を取り出し、渡す。


「もう裸の必要はないだろう?子供のも含め、着せてやってくれ。」


俺は皆が受け取るのを待ち、早速鑑定をし、窃盗スキルを・・・・久しぶりだな・・・・


う・・・・洗脳とか、支配とか・・・・怪しいのがあるな・・・・


いくつか回収する。


こんなまだ2歳ぐらいなのに、もうスキルがあるとか・・・・


結局発現していたスキルは、どれもが邪神のせいで存在しているスキルっぽかった。

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