第489話 ついうっかり
「ふふ、今度は男の子ですよ?よかったですね、口田士門。」
どうやら2人目は男の子らしい。どうやって知るのか謎だが。
そんな折、俺はひそかに?珠とアイテムを調べているんだ。
俺の工房で、こっそりと。
そんな時、ついうっかり、やらかした。
いいんだ、珠はたっぷりあるから。
「士門さん、差し入れですよ?」
世津が俺の工房におやつを持ってきてくれたんだ。
お、今日は果物中心か。
「お、すまないな世津。その机の上に置いてくれ。少し休憩する。」
俺は手にしていた珠を、世津が持ってきたトレイに、差し入れの隣に置いて、コーヒーを飲んでるんだ。
「世津の淹れてくれたコーヒーか?」
「ええ、たまにはどうかと思いまして。」
そう言う世津はカフェインレスを飲んでいる。
彼女も2人目を妊娠中だ。安定期。
「休まなくていいのか?」
「休みっぱなしは太るので、動いた方がいいんですよ?」
そうなんだ。佐和が2人目を妊娠中、油断したのか少々太ってしまい、出産後元に戻すのに苦労していたからな。
今は多少ふくよかだけど、一番抱き心地のいい女になってる。
本人はあと3キロ落としたいらしい。
ほっそりしてるのも好みなんだが、抱くとなると、多少はお肉もついていた方がいいかな?
世津や佐和達は細すぎだからな。
俺と世津が、ちょっとした雑談をしていると、
「みっちゃん、うんちうんち!」
三津枝がやってきた。
「あら嫌だあの子ったら、今日3度目のうんちね。ちょっとおしめをかえてきますね。最近あの子ったら、私以外は変えさせないんですよ?」
子育ては大変だ。
俺は一人になったので、パソコンの画面とにらめっこしながら、解析をしている。
世津の持ってきたトレイに乗っている、果物をかじりながら画面を見て、アイテムを調べていたんだが、もう一つ果物を口に運んで・・・・一口でペロッと食べたら・・・・ああ?何だこの味は?
少ししょっぱいぞ?何持ってきたんだ世津は?
そう思ってトレイを見ると・・・・あれ?此処に置いてあった珠が無くなってるぞ?どこ行った?
俺は確かにトレイに置いたはずだと思って、周りを探すが・・・・見つからない。あれ?無意識に落としたか?
机を探しても見当たらない。
うーん・・・・どこ行った?
暫らく椅子で座りながら、一度落ち着こうと思ったのだが、何だか妙に体が火照ってしまう。
うん?どうしたんだ?妙に火照ってるな。
火照ってると言うか・・・・熱い!何だこれ!熱いじゃないか!
熱いと言うか、ええ?コーヒーがゆだってるぞ?
まずい!何がどうしたか分からんが、まずパソコンから離れよう、後はアイテムその他も。
そうする間にも俺の身体に異変が。
身体が真っ赤になっているのだ。
机の上にあったペットボトルは溶けた。
うげ・・・・着ている服は耐火性ばっちり、温度調節もしっかり付与してあるのだが。全く関係ないなこれじゃあ。
すると、慌ててノエミと女神がやってきた。
「口田士門、これはどうしたというのだ?」
「来るな・・・・何か俺の身体に異変が起こってる!熱い!熱いいいい!」
「ああ、ちょっともしかして、私の珠・・・・食べたんじゃ?」
女神が何か言ってる。
「ええ?そんな馬鹿な!人が珠を食せるものか!」
え?もしかして俺、間違って珠食べちゃったのか?
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