第481話 自制心

この目の前の人も、女神なのか?


何というか、もう思いっきり抱きしめたくなるんだが、それを押しとどめるのに、凄い自制心が必要だ。


何でだ?


そこまで彼女が魅力的なのか?


しかも、この場には妻達がいるんだぞ?


さらに言えば、世津とシビル。特にシビルは今後の人生を大きく左右される、人生の分岐点何だ。そんな時に、一体俺はどうしてしまったんだ?


そして何度もそう思っているうちに、気が付いた。


彼女は魅了のスキルを無意識に展開しているんだなと。


そして俺はその魅了に影響してしまってるんだなと。


「口田士門、私と取引をなさい。私と子作りをすれば、その2人の絆は何とかしましょう。」


へ?今何て言った?


「なあ、俺聞き間違えたのか?あんた俺と子作りしろと言ったのか?何で妻の目の前でそんな事を言うんだ?」


「力のある者の子を求めるのは、当然でしょう。」


「なんで旦那がいる女を抱かないといけないんだ。」


「そう思うのはそちらの勝手。さあどうしますか?私を抱けば、その2人の、女勇者と女魔王としての縛りから解放してあげると言っているのですよ?」


・・・・抱きたい。それも思いっきり、今すぐ。


「士門さん、これ以上妻が増えるのは・・・・しかも人妻?」


世津が困った表情で俺にそう言う。


「私は構わない。そんな事で解決するならば。そこの女、それ本当なのだな?」


「無論よ。嘘をついてどうするの?抱いてくれるなら、先に解放してあげるわよ?」


うひょ!どうすんだこれ?


気が付けば、佐和に思いっきりけりを入れられていた。


「士門さん!しっかり!よく考えないと、後で大変な事になるわ。」


「そうよ士門さん、甘い言葉には裏があるわ。」


佐和と三津枝が俺を諭すかのように言ってくる。


だけどねえ・・・・当事者のシビルは、乗り気だぞ?


「私がその二人を解放して、貴方は私を抱く。其れの何処に躊躇いがあるのか私にはわからない。当事者の女魔王は良いと言ってるのだから、さっさと決断なさい!」


妙に強気だな。


抱きたいのを別にしても、本当にシビルは解放されるのだろうか?


「お願いだ、解放してくれ!」


シビルがそう言ってる。


「皆、シビルの為だ。ここは我慢してくれ!」


俺は、欲望に勝てなかったよ。ジト目の世津と、安堵の表情のシビル。


どうせえと言うんだ?


・・・・

・・・

・・


「じゃあ始めるわ。」


世津とシビルとその女、三人が輝き始める。


暫くして・・・・終わった。


結果は、うん、シビルの女魔王としての縛りはなくなった。世津も女勇者ではなくなり・・・・あれ?だけど補正はそのままだぞ?

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