第480話 神々との争い

「父を何処へやったのだ?」


今まで黙っていた男の神がそう言った。


何だあんたら親子かよ。


「俺のオリジナルの異空間だよ。まあ、神でも逃げられないはずさ。」


「元に戻してもらおうか。私は父上のように感情だけで攻撃はしないが・・・・駄目だと言うなら、力ずくで言う事を聞かせるのみだ。」


そう言いながら、何やら魔法を展開していくその男性の神。


「あなた!駄目です!この口田という青年、我々よりはるかに強いです!」


「何だと?どういう事だ?」


「レベルです。レベルが通常あり得ないほどに上がっています。そこの白河に次ぐ強さです。」


「信じられぬ・・・・信じぬぞ!」


そう会話しながらも、魔法で俺を囲んでいく。


今度は・・・・む!苦しい?空気が・・・・


俺は咄嗟に魔法で空間を広げ、空気を取り込む。


詠唱なんて無粋な事はしない。頭に思い浮かべるだけで発動する。


「なに?この魔法をかわすか。ならこれはどうだ!」


「させないよ?」


俺はこの男の頭に水魔法で覆いつくす。


これでどうこうしようとは思わないけど、一瞬でも気が削がれたらばとの考えだ。


だが、俺の考えとは裏腹に、何やらもがき始めた。


あれ?もしかして詠唱しないと魔法使えないの?神なのに??


そのうちひっくり返り、動かなくなった。

どうやら溺れたようだ。


弱い・・・・これが神なのか?

ちょっと信じられない。


俺は魔法を解除し、少し電撃を与えると、息を吹き返してくれたので、そのまま同じく布で拘束、輪っかの中に放り込んだ。

2体目捕獲。


別に野郎2人捕獲してもうれしかねえよ。


俺は最後の1人を見る。


神の癖に震えてるな。


「ああ・・・・だから言ったのに。」



こっちを見つめてくる。


うん?よく見ると、見なくてもだけど、めっちゃ色っぽいなあ。


別にエロい格好してるわけじゃなさそうだが、どういう事だ?


いたってシンプルなツーピース。

何でだ?


「口田士門とやら、わたくしも同じように捕獲するのですか?」


何だか喋ってる姿も色っぽい。


「あんたが攻撃してこなければ、こっちからは仕掛けない。」


「そう・・・・それは良かったわ。それにしても、何て愚かな義父と夫。己の目の前の存在の力を見誤るとは、情けない・・・・」


「何だ?そう言えばさっきのあんたの旦那さんか?」


「ああ、そうだよ、夫のせいで私は珠を作れなくなったのだから。」


「・・・・じゃあ何で夫婦なんだよ?」


俺は思わず突っ込んでしまった。


「だって・・・・仕方ないじゃないの?向こうの世界、平和な時はやる事ないのよ?まさかこんな混沌とした時代になるとは思ってないじゃない?あの時までは珠も沢山あったから、大丈夫だと思ったのよ。」

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