第473話 白河エリクサーの効き目

白河さんが、何やら薬を取り出し、僕に飲ませる。


あ、思わず飲んでしまった。


因みに今は医務室にいる。医務室にエリクサーが置いてあるかららしい・・・・


「心配ないよ、口田君。これは飲むエリクサーさ。ざっと調べた限りでは、君の頭の異常は、この飲み薬で改善するはずだよ。」


「はあ・・・・最近、香り?お香というのですか、あれでかなり症状が良くなったのですが、治った訳ではないんですね。」



「どんな香りか知らないが、きっと一時的なものだよ。さあ、そろそろよくなるはずだけど。エリクサーの効き目は、すぐ表れるけど、君の場合時間がかかってるねえ。」


そうなのかな?自分ではわからんなあ。


だけど・・・・お、おお?おおお??



何だかわからないけど、力が湧く感じ?それにえらく頭がクリアになった感じがする。


「なんかすごい爽快なんですけど、これが効き目ですかね?」


「おや?何だか顔つきも変わったようだね。いい顔になってるよ。それと、たぶん爽快感というのが、脳への圧迫感が無くなったからだろう。」


「ありがとうございます、白河さん!」


「いいんだよ。それより、今からどうするんだ?かなり厄介な事になりそうだけど。」


今更かな。シビルとも話し合ったし、彼女を救いたいし。


「もう決めた事です。必ずシビルを救って見せますよ。」



「おお!いいねえ、迷いがないというのは。まあ、陰ながら応援させてもらうよ。」



・・・・

・・・

・・



先程の部屋へ戻ってきた俺と白河さん。


「すまなかったな。だが、もう大丈夫だ。白河さんのエリクサーで、どうやら俺の問題の根本が解決、まあ治療が終わったってやつだな。」



俺がちょっと興奮気味に喋る。


「士門さん?まだ治ってないんじゃないかしら?興奮してますわ。」



佐和がそう言うが、興奮というかこれは高揚感だな。


「佐和、これは興奮じゃない!高揚感だよ!」



その様子を見てた白河さんが間に入る。


「まだ頭のすっきりに慣れてないんだよ。暫らくしたら落ち着くよ。」


・・・・

・・・

・・




恥ずかしい・・・・穴があったら入りたい・・・・え?いっぱいあるじゃないか?そういうのじゃなくてダナ・・・・


「改めて復活だ・・・・心配かけたな。」


俺は何となく落ち着いたと自覚できる状態になった。


「よかった。また大変な事になるんじゃないかと思ってたから。」


世津が心配そうに言う。


「本当にもう、ああはならないの?」


三津枝も心配そうに聞いてくる。


「多分大丈夫だろう。今頭はかなりクリアになってるから。」


「そう?そうならいいけれど、今何かあっては困る。」


そりゃあシビルにとっては、今までの中で一番の山場だろうからな。


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