第472話 トンデモな世界

「で、どうなのでしょう!」


世津が食いついてくる。


あ、デアさんの目がきょどってるぞ?


「デア、言いにくいだろうけど、正直に話した方がいいと思うよ?」


白河さんが割って入ってくれる。


「怒らないで聞いてね?私が悪いんじゃないから?念のために言っておくけど、女神も私も、この職についてからそんなに日が経ってないのよ?禁則事項に触れるから、詳しくは言えないけど、たった数十年なのよ?神の時の流れからしたらほんの一瞬の事。」


皆デアさんに注目してる。


「勇者と魔王がなぜ有用だったかは今は関係ないから、話しませんが、ある日もう必要が無くなった・・・・役目が終わったからだけど。で、解除しようと思ったらしいけど・・・・作った神は、当時の女神らしいけど、解除の方法を失くしたらしくって。結局その女神が消えるまで見つからなかったみたい。」


うん?なんだそりゃ?アイテムさえあれば解除できるってか?


俺はぶちッと切れた。


「じゃあ何で女神は世津を召喚なんなんかてしたんだよ!もう必要ないんだろう?」


「それに関してはごめんなさい。あの子、初めての女神の役目だったのよ。前任者から一切もう役目が終わってるって聞いてなくって、しかも、引継ぎノートなる物には、ちゃっかり女勇者が必要と書かれてたらしくてね。その引継ぎの通りに召喚したみたいね。」



「はあ?なんだそりゃ?

ちゃんと調べりゃわかる事じゃないか!あんたらそれでも神なのかよ!人の人生散々弄びやがって!」


俺は本格的に切れた。そんなつもりはなかったんだけど。


だけど、誰かが抱きついてきた。シビルだ。


「口田士門駄目だ。しっかり自分を保つんだ。」


俺は血走った目でシビルを見る。


見る


見る


見る


見る


シビルのその目に吸い込まれそうになりながら、だんだんと落ち着く。


少し間をおいてから、


「あんたらのせいで、俺はあり得ないレベルになったが、この副作用のせいで随分苦しているんだ。自分を押さえられない。これが、事実なのか?」


俺はシビルに抱きかかえられながら、そうつぶやき、急に力が抜けるのを感じた。


「口田君、どうしたんだ?僕にはそのような症状はないんだけど、君には・・・・そうか、レベルの上がり方がそもそも違うんだな。だからその時に無理が生じたのか。」


何か白河さんが言ってる。


「しかも、興奮を収束させるには、妻達に性欲をぶつける以外にない。色々試した結果がこれだ。あ・・・・」


俺は何だか分からなくなり、頭が真っ白になった・・・・


「ちょっと口田君には落ち着いてもらおう。これは・・・・かなり精神にダメージがあるね。無理があるなこの現状は。つまり、口田君は、レベルの上がった副作用で、脳の一部が圧迫されていて、抑えが効きにくくなってるようだね。少し時間をもらえれば治せるよ。」

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