第422話 反撃

俺達は死霊に対する対抗手段を得たので、一気に攻勢に出た。


今アウグスティン率いる兵士を攻めているのは、殆ど死んだ兵・・・・・死霊。生きている兵もいないわけではないが、あまりいない・・・・


なので、どんどん魔法を使い、死霊を追い返す。


すると・・・・もう生きている兵士が、パールメース帝国側にあまりいない事が判明。


そんな中、妙な視線を感じ・・・・俺は其処へ落ちている石を拾い、投石。

直前で気付かれるも命中。


「うぐ・・・・」


「おい、大丈夫か?」


「これが・・・・大丈夫に見えますか?幸い、急所は避けられたので、何とか治るでしょうが・・・・」


「そうか、それは良かったというべきか?」


「まあいいです・・・・概ね目的は達成できましたし、こちらの存在に気が付いたようですし、そろそろ撤退でしょうかね・・・・」


そういう会話が聞こえたが・・・・いつの間にか姿が消え去った。


あれは・・・・・例の2人組か?


そして・・・・取り残されたパールメース帝国の兵士が降伏していた・・・・


・・・・

・・・

・・


俺の目の前に、泣き崩れるヴィヴィと、呆然と立ち尽くすアウグスティンを見かけた。


どうしたのかと思えば・・・・そこには、2人の変わり果てた姿が・・・・


どうやら、アウグスティンの2人の弟のようだ。

もう既にこと切れている様子。


確かこの2人が中心となって攻めてきてたんだよな・・・・


「あにさま・・・・弟が・・・・死んじゃった・・・・」


「すまないヴィヴィ・・・・結局最後まで2人を確認できなかった・・・・」


この一連の争いで、パールメース帝国の男性皇族2人が亡くなるという、何とも言えない結果となった・・・・


・・・・

・・・

・・



あれから1週間、パールメースとアウグスティンの率いていた兵士の生き残りに、死体を埋葬してもらい、ようやく全てが終わった頃・・・・


パールメース帝国が重大発表を行っていた。


皇帝の長男アウグスティンの国家反逆と、国外追放処分、2人の息子の死去、皇女ヴィヴィの誘拐・・・・


そして、代理で皇帝の娘の婿の男児を世継ぎに指名した後、皇帝の体調不良が発表され、摂政として男児の父親が臨時でパールメース帝国の皇帝代理となるという・・・・


なんだこれ?

どうなってるんだ?


まだ後継ぎが生きているうえに、反逆してないじゃないか?


それと・・・・ヴィヴィが誘拐された?いやいや・・・・あいつは自分でここに・・・・まああまり知られていないスキルで、いきなりパールメース帝国から消えたから・・・・誘拐扱いされても仕方ないのか?


兎に角今後どうなるかだな・・・・

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