第420話 意外?な解決法

俺達が死霊・・・・死者がよみがえった事への対策で頭を悩ませていると、三津枝がやってきた。


「士門さん、ちょっといい?」


「ああ、どうした?」



「せっちゃんから相談受けて、死体が動き出したって聞いて、どうするのかなって。」


「心配かけてるな。今はどうしたら良いか分からないんだ。今対策を考えてるんだ。」



そう言ったが、三津枝は何故か目を輝かせている。


「あ、やっぱりね・・・・ちょっと私に心当たりがあるけど、試す?」


「え?心当たりって、あの大群相手に何か対策あるのか?」


「ええ・・・・私が何かする訳じゃなくってね、この三人だけど・・・・」


そこに現れたのは、奴隷を解放した、日本人の3人の女性。


「あ、もう怪我人とかいないのかな?」


「ええ、全員私達で対応できる事はしましたよ。それより口田さん、あの死霊ですか?死体が生き返ったとか。」


一番年上の女性が俺に話しかけてくる。


「生き返ったというか、死体を乗っ取られたというか、そんなのだな。」


「生き返ったのではないのね・・・・では死者のままですか、身体は。では・・・・言葉なき死者をこれ以上冒涜するのは、看護師としてどうかと思うので、試したい事があるんですよ。」



「えっとなんでしょう?」


「動く死者に”回復魔法”を使うのですよ。」


「え?回復魔法?聖水とかじゃなく?」


「聖水?せいすいって・・・・おしっ・・・・じゃないですね、そんなのあるんですか?」


・・・・いまお▼っこって言おうとしただろう・・・・・・あ、でも・・・・拘束されてる時にごにょごにょなら・・・・突っ込まないでおこう。


「よくこういったアンデット?に使うじゃないか?どこぞの教会が作ってるとか眉唾物だけど。」


「聖水、よく分かりませんが、私達3人と、口田さんにもありますよね?それを死者に使うのです。」


「するとどうなるのですか?」



「恐らくの仮説ですが・・・・私達のエネルギーは、たぶん正・・・・プラスのエネルギーだと思うんです。ですが、この死者を動かす力はマイナス・・・・負のエネルギーではないかと思うんです。そして、私達が使う回復魔法は、プラスの働きをすると考えたのですが、これとは逆の働きが負のエネルギーだと思うので・・・・」


「じゃあ、死者に回復魔法を使えば、負のエネルギーが正のエネルギーに・・・・死者の力が弱まると?」


「ええ・・・・私達3人で話し合って考えた仮説ですけど。」


「そうか・・・・すっかり見落としてたな。早速試してみよう。」


こうして俺達は、三津枝と3人の看護師を加え、死者の兵に回復魔法を試すべく、向かった。

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