第418話 酷すぎる・・・・

カメラの映像が映っている、モニターから少し離れている間に、事態は急変した。


俺がアウグスティンと話している間、世津がモニターを時々見ていてくれていたのだが・・・・

世津が慌てて俺の所へ駆けつけてくる。半泣き状態だ。


「し・・・士門さん・・・・」


世津が珍しく、人目を憚らず俺に抱きついてくる。

一体全体どうしたというのだ?


「世津、どうした、君が人前でこのような事をするとは・・・・余程の事があったのか?」



「ええ・・・ええ・・・・・うう・・・・」



堪え切れず泣き出してしまったようだ・・・・


俺が世津を落ち着かせている間、事態はどんどん進んで行くのだが・・・・そんな事はどうでもいいんだ。心配なのは世津だ。



時間をかけて落ち着かす。



「・・・・取り乱しました、ごめんなさい。」


「ああ、いいんだよ。」


俺はやさしく微笑む。


世津は俺の顔を見て安心したのか、段々平常心を取り戻しているようだ。


「・・・・士門さん、モニターの兵士が動き出しました。」


・・・・・なんとなくそんな気がしてたんだよな・・・・


「やっぱり動いちゃったか・・・・」


「その・・・・見ていて気持ち悪くなってしまって・・・・」


「ごめん世津。死体が動き出したら・・・・気持ち悪いよな。」


「ええ・・・・一瞬頭が真っ白になってしまいました。」



そりゃそうか・・・・首なしの死体が動き出したら、それが目の前だったら、俺でもビビるわ。というかお漏らしするな、きっと。


俺は世津と共にモニターを確認する。



あーなんというか・・・・自分の頭でコケるとか・・・・シュールすぎる・・・・


どうやら頭を拾い、くっつけたようだ・・・・くっつくのか?デュラハンだっけ?首無し鎧、あれか?


そう思ったが・・・・違ったようだ。


他の死体・・・・それも一斉に動き出していたからだ。


報告があったので向かった先は・・・・ゾンビ?バイオな奴?


ナビ子さんが死霊と言っていたが・・・・それが関係しているのか?



どう考えても生き返った様には見えない。


身体が勝手に動いてる感じだ。


う・・・・気持ち悪いぞこれ。


・・・・駄目元で聞いてみるか?


なあナビ子さん、一寸でいいから出てきてくれないか?あれはどうやって動いてるか分かるかい?



【・・・・・うう・・・・・いや・・・・ごめんなさい・・・・精霊ですよ・・・・動かしているのは・・・】


え?精霊なのか?そういえば死霊とか言っていた?


【ええ・・・・・その通り・・・・死んだ人は抜け殻・・・・そこに入り込むのよ・・・・・死霊は・・・・もう限界・・・・】



・・・・ナビ子さんに無理させたな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る