第405話 1週間

・・・・俺は1週間意識がなかったらしい。


気が付けばベッドの上だった。


そして、意識が戻った時、ベッドの傍の椅子に、ヴィヴィが座りながら寝ていた。


・・・・夢の中で、何度も彼女が現れた。

何故か、ロンダーヴやナビ子さんも時々一緒だったが。


あれ?そう言えば何で俺は・・・・病室のベッドだな、ここは。どうしてここで寝てるんだ?記憶にないな。


そして、ヴィヴィを見る。


すっかり回復した彼女は、燃えるような赤毛に切れ長の細い目をした、きつめの美女だが・・・・こうして寝ている所は、ちょっとかわいい所もあるじゃないかと思えてしまう。


俺を見ればすぐに憎まれ口を・・・・でも・・・・あ、何か顔、綺麗だよな彼女。


顔というか皮膚?凄い触れば滑らかな感じ・・・・


俺は思わず起き上がり、そっと彼女の顔を、頬を触る。

うん・・・・色々な意味で綺麗だな。

彼女は真っすぐだ。純粋に俺に接してるし、なんだかんだ言って素直でいい娘なんだよな。

それに・・・・不思議と吸い寄せられてしまう・・・・いかん・・・・寝てる女性に・・・・


そう思ってると、不意に彼女、ヴィヴィの目が開いた。


俺は思わずそのまま見つめてしまう。


「いいよ。」



何がいいのか知らないがそう言うヴィヴィ。


俺はそっとヴィヴィに口づけをする。

あれ?ヴィヴィとは初めてだっけ?何か一度ヴィヴィからしてくれたような、無いような・・・・


そして思わずヴィヴィを抱き寄せてしまうが・・・・ヴィヴィも抱き返してくる。何だか彼女の体温が心地いい。

人のぬくもりっていいな・・・・


そうしたらヴィヴィが


「ここじゃ人が来るから・・・・」


・・・・何の話だ?


だけど俺は何故かゲートを出し、ゲートに入る。

ヴィヴィも来る。


何もない広い空間。まあ建物なんだけどさ、俺が密かに用意しているゲート部屋なんだけどさ、人は誰もいない。


2人して外へ出る。


俺は船を出し、乗り込む。ヴィヴィもついてくる。



船をかなり上空へ飛ばし、オートモードに切り替える。


あ、俺風呂に入ってなかったな。


「ちょっと風呂に入る。随分入ってないんだろう?」


「うん、一週間ほど。じゃ、私も一緒に入ってあげるよ。」


「恥ずかしいな。」



そう言いながら一緒に入る。


前にも治療で彼女の裸は見てるが、今は全く様子が違う。


「何だヴィヴィ、綺麗じゃないか、普段もだが、脱いでも抜群なプロポーションだな。」


「ぷろぽーしょん?よく分からないけどありがとう。さあ、綺麗にしよ!」


・・・・

・・・

・・



「痛かった・・・・野獣ねしもん。」


「その・・・色々すまん。ヴィヴィがあまりにも魅力的過ぎて、我慢できなかったんだ。」


「そうなの?そんなに魅力あるの?」


「うん・・・・そう言えば、夢でヴィヴィが出てきたんだが・・・・何かした?」


「うん・・・・私のスキル。夢の中に入れるんだ。本当は夢じゃないんじゃないかと思ってるけど。」


「そっか・・・・ヴィヴィには何だか助けられたな。」


「何言ってるのしもん。あんたは私の命そのものを救ってくれたじゃない。こんな事では全然返せてないけど。」


「そうは言ってもなあ・・・・」


「じゃあじゃあ・・・・ねえ、私の事どう思う?」


「ヴィヴィの事?聞かれた意味が分からないが、外見は魅力的だな。内面は・・・・ヴィヴィは意外と聡明な所があるからな・・・・ヴィヴィ、君は魅力あふれる女性だ。正直俺にはもったいないし、まだそんなに付き合いは長くない。」


「・・・・うん・・・・」


「だけどな、出会って1週間で結ばれる人もいれば、10年一緒に居ても結局別れる事もある。」


「それで?」


「・・・・俺の妻になってくれ。」


「・・・・いいのかな?私がなっちゃって。」


「幸せにできるかは分からないが・・・・それに、俺には沢山の妻がいる。ヴィヴィがまだ出会ってない女性も・・・・いるんだ。」


「あ、それは大丈夫。イベッテさんたちが会わせてくれたから。」


「へ?そうか・・・・で、返事は?」


「・・・・仕方ないなあ?結婚してあげるよ。私と結婚すると色々大変だぞ?」


「そんな事言うけど、ヴィヴィは素敵な女性だからな。楽しくやっていけるさ。」

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