第395話 アウグスティンとの話し合い
ボースマ王国を解放し、約一ヶ月が経った。
生き残った帝国兵は回復し、また奴隷になっていた兵士、住民も回復させた。
何処まで症状があるのか分からないので、奴隷の解放の後、精神の干渉がどの程度あるのか分からないので、アイテムで打ち消しておいた。
そして今、アウグスティンとヴィヴィの兄妹と共に、話し合いをしている。
話し合いになってるか分からないが・・・・
「あにさまあ・・・あにさまあ・・・」
ヴィヴィがアウグスティンの隣に座って、アウグスティンの腕にしがみついている。
どんなけブラコンなんだよ?
「やめなさいヴィヴィ。いい歳してはしたない。」
「何を言われるのですかあにさま!ヴィヴィはあにさまの物ですよ!」
「駄目ですよ、私はヴィヴィを大切な妹と思えど、異性の女性としては一切見ていませんからね。それに・・・・誰かの物、というのであれば、口田殿の物になりなさい。」
「酷いわ、あにさま・・・・なぜこのような者の物にならなければいけませんの?」
「わかるだろう?私達は口田殿に、一生かけても返せるか分からない恩を受けているのだよ。私はこれから一生をかけて償う考えだが、ヴィヴィは特に他国へ迷惑はかけてはいないから、私ほどの償いはいらない。・・・・しかし今の様な健康な体になったのは口田殿のおかげ。せめてこれからは口田殿に感謝の気持ちをもって接しなさい。」
「その・・・・分かってはいるのよ?だけど・・・・他の男って・・・・怖いわ。」
「ヴィヴィなら大丈夫だよ。彼なら間違いがない。」
・・・・何だこの空気感は。俺完全アウェーじゃないか。
「そういう訳で口田殿、迷惑かもしれないが、妹を見ていてくれまいか?私は、許しがあれば帝国へ戻り、国を本来あるべき姿に戻したい。あの2人・・・・どうしてもどう言った奴らだったのか思い出せないのだが・・・・あ奴らから父を、母を、弟や妹を解放したい。」
「ああ・・・・また攻められても困るしな・・・・それに帝国内の動きが全くないのも解せないしな。かなり危険な事になりそうだが、大丈夫か?」
「ええ、これだけアイテムがあれば、何とかなるでしょう。相手のスキルがまだ分からない部分はありますが、隷属化はこのミサンガで避ける事ができますし、精神に働きかけるスキルもこのアイテムで無力化できますから。」
「ならいいが・・・・もう俺はこれ以上他国に関わりたくないからな。」
「・・・・もう手遅れと思いますよ。」
「・・・・だよなあ・・・・はあ・・・・」
「あとはヴィヴィですが、ここで暫く預かって頂きたい。帝国内で万が一があれば、皇位は彼女の物になる。2人の思惑がどこにあるか分からないが、もし帝国の支配であるなら、私が死んだ場合の事も考えねばならないからね。恐らく私が死ぬ時は、既に他の皇族は2人の支配下だろう。」
こうしてヴィヴィを残し、生き残った帝国兵を率い、アウグスティンは引き上げていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます