第394話 アウグスティンの状況は厄介
ヴィヴィは、時間が解決してくれそうなので、アウグスティンの本格的な治療を行う。
その前に彼を知るダミアンに聞いてみると、本来のアウグスティンは穏健派。
大国の皇太子であるにもかかわらず、周りに優しく、気配りもでき、何より争いごとを嫌っていたようだ。
それが前回俺が見る限りは・・・・口が悪かったぞ?しかも性格は・・・・我がまま?
今とは全くの別人だな。
それに、回復させる前は、よくあるわがまま皇太子?父である皇帝の権力を利用し、何かあれば父に泣きつく・・・・
それが今や、記憶にないとはいえ、してしまった事の重大さを認識し、謝罪し、罪を償おうとしている。
よく分からん・・・・
俺はもう一度調べたいので、シビルにもう一度調べてもらう事に。
「仕方ないわね・・・・」
「すまんな。」
調べ始めた彼女だが・・・・
「えっと・・・・確かに・・・洗脳された感じね。しかも・・・・記憶が操作されてる?あと・・・何かに思考を誘導されたのかしら?これはひょっとすると、複数のスキルを、同時に使用された可能性がある・・・・あら?そう言えば気が付かなかったけれど、この人も隷属化されていたのかしら?」
「え?こいつも奴隷だった?そういえば・・・・片っ端からわご・・・・ミサンガつけてもらってたっけ?」
そうなのだ・・・・帝国兵も含め、ひょとしたらと思い、本国の兵士も含め、幹部も全員ミサンガをつけさせた。
結果までは確認してなかったな・・・・
俺は一応、先程シビルが指摘したスキルの使用を考慮し、そういったスキルの影響を打ち消すアイテムを作ってみた。
洗脳・・・・相手を自分の思うように仕立て上げるのか?
思考の誘導・・・・どういったスキルだ?相手を思うような行動をさせる事が出来るのか?
記憶操作というスキルがあるのか?何だよこのスキル。
奴隷・・・・もう言う事が無い。
これにもし支配とかあれば、もう人を思うように動かし放題じゃないか。
どんな構成してんだよこの・・・・・2人組、あいつ等か?
そして作ったアイテムだが、回復スキルをベースに、創造スキルで付与。
効果は、他人からの精神の働きを阻害するアイテム。
つまり先ほどのような・・・・奴隷以外だが・・・・奴隷の場合、今回は首輪に仕掛けがあって、外そうとすると首に針が刺さり、死に至ると言うもの。だからこれは物理的なので・・・ミサンガがあるから無効化したけど・・・・精神的な働きをブロックする、そして現在影響のある作用を打ち消す効果もある。
このアイテムを、アウグスティンとヴィヴィに使い、その後も帝国兵に展開した。
その結果、驚くべき事実が発覚。
パールメース帝国において、2年前まで誰も他国へ攻めようと考えもしていなかったという事実。
そして、気が付けば数か国を攻めていたという事実。
ここに精神の支配の恐ろしさを感じる。
俺が何時も使ってるゲートと組み合せば、最強の国が出来上がるな。
しないけど。
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