第391話 精神崩壊
「・・・・この2人、症状は違うけれど、精神が崩壊してる。」
シビルがそう言った。
「どういう事だ?」
「前に見た時は、肉体的な事を調べたのだけれど、今はもしかしてと思い、精神的な事を調べたの。そうしたらわかった。」
「何が原因か分かるか?」
「ちょっと待って・・・・これは・・・・スキルの影響?頭の何処かが・・・・変?ごめんなさい・・・これ以上はわからない。」
「えっと、つまりなんだ?」
「頭の・・・・脳というの?そのどこかが壊れてる。きっとスキルの所為。」
「スキルって・・・・野郎の方は、洗脳されてるんだっけ?こちらの・・・・女性は・・・・自らのスキルか?現れ方が異常だったからな・・・・無理しすぎた?」
そうなんだよな、突然現れたからな・・・・
「修復スキルで修復を試みてはどう?」
「あーさっきまでは回復魔法だったからな・・・・試してみるか。」
俺は、頭の何処が悪いのか分からないまま、修復を試みる。
心の中でもし余計に悪化してしまったらごめんよ、と思いながら。
・・・・
・・・
・・
・
結果何か頭の奥の方?に手ごたえを感じた。
後はまあ・・・・目覚めるのを待つだけか。
2日して、嫡男がまず目を覚ました。
2人は看護師3人に来てもらい、見てもらっていた。
俺がスキルの多用のせいで安静にしている所へ報告に来てくれた。
「あ、大丈夫?診ようか?」
「良いんだよ、スキルを使いすぎると、時々こうなるから。あ、もしかしてどっちか気が付いた?」
「ええ、男性の方が目覚めたのよ。一応知らせようと思って。」
「ありがとう・・・・少ししたら向かうよ。」
俺は身支度を整え、シビルを伴い向かう。
俺が・・・・確かアウグスティンとか言ってたな・・・・嫡男に会うと、
「あ、気が付いたようだから来たんだが、気分はどうだ?」
「気分は問題ありません。失礼ですがどなたでしょうか?」
「・・・・俺は口田士門だ。ここの・・・・責任者?というべきか。」
「よく分かりませんが、口田殿ですね。私はアウグスティンと申します。パールメース帝国の皇太子です。」
「ああ、それは知ってるが・・・・俺とは会ってるんだが、覚えてないのか?」
「・・・・一度見た顔は忘れないのですが・・・・申し訳ないが、分からないな。」
「・・・・じゃあここが何処かも分ってない?」
「ここはパールメース帝国ではないのですか?」
「ここはボースマ王国だ。」
「ボースマ王国?何故私がボースマ王国に?」
「それはこっちが聞きたいぐらいだ。あんたらがボースマ王国を攻め滅ぼしたんじゃないか?」
「ええ?そんな馬鹿な!パールメース帝国とボースマ王国は、100年以上友好関係だったのですよ?それを我が国が攻め・・・・滅ぼした?」
・・・・おかしいな・・・・何だか性格も、記憶も・・・・?
もしかして洗脳されていて、それが解けたはいいが、洗脳前の記憶が無い?
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