第382話 シウテニア公国の解放
「あ、話の途中悪いんだけどさ・・・・シウテニア公国、パールメース帝国の支配から解放されたわ。だから、このおっさんが新たな大公なわけで、よろしく!」
・・・・何言ってんだって顔だな。
「言ってる意味が分かりませんが・・・・」
「ああ、もうこの国の主要な場所は全てシウテニア公国の兵士が押さえたって事だな。」
「な!何を言ってるのやら・・・・この国の生き残りはすべて帝国の奴隷・・・・」
「奴隷はもう解放されてるから、此処には帝国の奴隷はいないよ。」
・・・・正直複雑な奴隷の拘束じゃなかったからな。もっと複雑だったらどうしようと思ったが・・・・ぶっちゃけこれだけ大人数を一度に奴隷にするんだから、かなり手抜きなんだろうな。
「どういう事ですかな?」
そう聞かれたが・・・・俺はおっさんに目配せすると、おっさんが何やら合図をする。
すると・・・・俺達の周囲を兵士が取り囲む。
あ、今ここにはどうやらおっさん達を逃がして、それでも何とか生き延びていたおっさんの息子がいるようだ。
万が一帝国の兵だったらとも思ったが、ナビ子ちゃんが反応しないから安心だな。
「何!いつの間に?」
「さて・・・・次は・・・・ウシュエ公国だな・・・・」
「え!!・・・そ・・・・それは・・・・?」
「まあいいけど・・・・どうするあんたら、一応帝国まで逃げるなら、逃がしてやるけど。」
本当は逃がしたくないが・・・・敢えて逃がして報告させたいとか考えてるんだけどな。
「閣下・・・・どうしますか?このままでは・・・・」
「ぐぬぬ・・・・まさか時間稼ぎか?」
「まあそうだけどさ・・・・もう必要ないよな。あんたらの指揮権って何処まであるんだ?残した10万の兵の指揮権はあるのか?」
「も・・・・勿論閣下が今回の遠征の最高指揮官ですから・・・・」
「くそ!何が楽勝だ!あの2人め!上手く皇帝陛下に取り入りやがって!話が違うじゃねえか!」
「なあ、あの先に逃げた2人か?誰だあいつら?」
「・・・・あなたが知る必要はありません・・・・」
「そうかい、まあいいけど。あ、そうそう、多分あんたらが駆けつけても、もう10万の兵はいないと思うから、本国へ帰ったほうがいいと思うよ?」
「それはどういう・・・・?」
【ウシュエ公国への侵入成功。逐次奴隷を解放中。帝国の兵は・・・・奴隷のみ。】
”報告ありがとう。じゃあここも時間の問題だな。”
【そのようです。次はいよいよアルムデナ公国という事になります。】
・・・・3つも公国を滅ぼしたのか。
「あ、ウシュエ公国も開放中みたいだから。」
「何故わかる?何か魔道具でも使っておるのか?」
「あ、シウテニア公国の兵の皆さん、この2人は退場するので、くれぐれも殺したりしないように。生かして帰したほうがいいので。」
俺はそう言い、2人に退場してもらった。もう時間稼ぎもいらないしな。
さて、10万の兵がいるなら厄介だからな・・・・俺も行くか。
俺は世津と三津枝、シビルを呼んで、アルムデナ公国へ向かう事にした。
「ちょっと何でボクを置いてこうとしてるのさ?」
「あ、ごめん忘れてたわ。」
「ボク泣いていい?」
「冗談だから。さ、船で行くからよろしくね、ロンダーヴ。」
「仕方ないなあ・・・・じゃあサクッと行くよ!」
「あ、おっさんはこの国をちゃんとしてやってよ。」
そう言い残し、船へ乗り込んだ。
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