第360話 獣人を”クチタ”に集める
「あ・・・・ちょっと言っちゃったぜ!」
俺は獣人3人娘に聞く。
「だってさほら、色々他の獣人が聞いてくるんだよ!仕方ねえだろ!嘘言っても仕方ねえし!今までどれだけ獣人が虐げられた事か!・・・・って旦那にゃ関係無いな!つーか寧ろ良くしてくれてるし?」
ナタリーが興奮気味に喋る。
まあ口止めとかしてないし、する気もないが・・・・
「私も少し?お友達に言っちゃったよお?そうしたらねえ・・・・他の同郷に伝えておくよ!とか言いながらあ、あっという間に行っちゃった・・・・」
ソフィーの方か?広まったのは?どうでもいいけど・・・・
「でででどどどどうすすするんですかああああ?」
先程頭をぶつけ、まだ痛がってるエミリーは慌ててそう言う。
「まあみんな落ち着け。別に責めてる訳じゃないのだが・・・・こうもいきなり獣人が集まるとな、対応しきれん。で、だ、今後どうするかと思ってな。」
・・・・どこにこれだけ獣人が居たんだ?と思うほど、集まる集まる。もうこの・・・・俺が住む事にしている領地の街(予定)”クチタ”にも、500人程いるんだよ。
「もしかして・・・・追い返すのか?」
心配そうに言うナタリー。
「いや、折角来て貰ったんだ、受け入れるさ。だがな・・・・今までも立場が低かったんだろう、獣人は。このままじゃあここでも同じだろうからな、何とかしてあげたいんだが・・・・流石に、前準備も知識もないままこれだけ集まるとな・・・・」
俺は困り果ててそう言う。
「じゃあ、どっか1か所に獣人用の集落でも作って、そこで獣人の町でも用意すりゃあいいんじゃないか?」
それは考えたんだがな・・・・
「誰がそれをするんだ?」
「わ・・・・私じゃ駄目ですか?」
エミリーがそう言うが・・・
「そんなこと、出来るのか?住居もないし、働く場もまだない。食べ物は?金持ってきてるのか?獣人たちは。それをエミリーが全部できるのか?」
「そ・・・・それは・・・・」
「そんな事言ったって、どうすりゃいいんだよ!」
「別に俺は君達を責めてる訳じゃないよ。それに、噂が広まったのも、意図的じゃないんだから、寧ろこちらの都合も考えず勝手に集まってきた方が悪い。それでも・・・・何かしたいのだろうが・・・・」
「じゃあじゃあ!素材を集めて、来た奴らの中には建物建てられる奴らもいるだろうし、そいつらにやらせりゃいんじゃないか?」
「あ・・・・ナタリー、それは駄目よお?建てるのはまあ・・・・いいけれどお・・・・土地はどうするのお?」
ソフィーが止めに掛かる。
「うぐ・・・・そこまで考えてなかった・・・・どうすっか?」
「あ、建物建てれるやつらがいるのか?獣人の中に?」
俺は知らないから聞いてみる。
「ええ、いますいます、沢山いますよ!」
エミリーが強く言う。
「じゃあ素材は・・・・俺達が持ってるか・・・・土地はまあ・・・・腐るほどあるしな・・・・じゃあ、何処の土地にするかとか決めようか?」
「え?いいのか?そんなんで?」
ナタリーが驚いて聞いてくる。
「いいんじゃないか?上手くいけばだが。」
この時、誰もそこまで考えていなかったが・・・・ラクシュアノス王国最大の獣人の町が誕生した瞬間だった。
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