第359話 次々にやってくる獣人達

色々あったが・・・・エミリーの治療が成功し、暫く経ったある日の頃・・・・


領内のダンジョン周辺を見に行くと、何故か獣人の姿をよく見かける。

男の獣人は力も強く、木材や何やら資材を運んだりしている。


俺は近くにいたビクトル君に聞いてみる。


「獣人をよく見るけど、前からいたっけ?」


ビクトル君は俺をまじまじと見て・・・・


「・・・・えっとですね・・・・最近・・・・獣人の方々が大挙して領地に来るようになったんですよ。どうやら・・・・噂を聞きつけたようで。」


何か言いにくそうにしているが、何だ?


「何だ噂って?」


「・・・・本当に知らないんですか?うわさ。」


「ああ、全く知らん。」


「じゃあその・・・・言いますが・・・侯爵さまが最近その・・・・獣人の女性を3人、妾にしたという噂がありまして。」


「うん?その通りだが・・・・本当は結婚しようと思ったんだけどな、何故か3人はまずは妾という事になってな。」


「はあ・・事実でしたか・・・・何処で聞きつけたのか、領主さまが獣人に対し、良い扱いをしていると獣人達の間に伝わり・・・・正直この国での扱いはいいとは言えませんから・・・・噂を信じ、侯爵さまの所へ獣人たちが次々とやってきている、というのが今の状況なんです。」


・・・・どういった噂なんだそれ・・・・?いや、だから何で獣人が押し寄せる?


「それでですね・・・・獣人を3人も妾にするぐらいなんだから、きっと他の獣人の扱いも今よりはましだろうって、獣人達の間では凄い事になっているようで・・・・たぶん、港も、中間の・・・・何でしたっけ街の名前?」


ああそう言えば、何だっけ?


クチタ領・・・・クチタに決まったんだったか?記憶にないぞ?


「記憶にないが・・・・クチタに決まったような・・・・」


「そうでしたか!では多分、港の・・・・ホープでしたよね?そこと、このオジャとクチタ、たぶん今頃獣人が押し寄せていますよ?」


・・・・なんですと!確認しに行かなくては!


あれ?今港って誰が居るんだ?


オデットか?あ・・・・そう言えば・・・・指示だけ出して・・・・職人に丸投げじゃないか!これはいかんぞ!というか、中間の街も、ああ!しまったああ!

・・・・・だが、なんて事はない、港の方は、イベッテと佐和が、中間の領地は世津と三津枝がそれぞれ指示を出してくれていた。


よかった・・・・びっくりした・・・・


俺は2~3日、獣人3人娘と・・・・と思っていたんだが、どうやら・・・・2週間ほど経っていたようだ。

俺どれだけおかしかったんだ?

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