第350話 いかん、分娩台に案内してしまった

俺も間違いはあるさ。


一寸気まずい・・・・



何がって、ティンドールの医務室に案内した訳だが・・・・


「ここが俺が用意した、医務室さ。」


俺はそう言って案内したのだが・・・・忘れていた。そもそもティンドールに、どういった経緯で医務室を用意したのか・・・・


久しぶりだったしな・・・・女ばかり連れてるから、マウリシオさんも何も言わなかったよ。


医務室にはいくつか部屋があるのだが、その内のひとつをなにも考えず開けたら・・・・


「さあイきんで!頭が見えてますよ!そう!もっと力を入れる!」


「うーーーーぐーーーー!!!」


・・・・・・・・


しまった・・・・分娩室だった・・・・しかも今真っ最中・・・・おい、旦那は誰だ?何でいない?


獣人たちはその光景をマジマジと見てしまった。

幸い?な事に、ドア側は妊婦さんの頭なわけで・・・・大事な所は見えてないからいいけど・・・・


「頑張ってね・・・・」


「い・・・行かないでええ!!!!」


・・・・俺の子じゃないぞ?


世津達がジトッと見てくる。というか、お前等も気が付いてなかったんだろう?共犯者だぞ?あ・・・・無駄に防音完備の部屋にしてたんだな・・・・


そんな事を思いながら、フェードアウトした・・・・


気を取り直し、別の部屋に。


「こ・・・・こっこそ、色々な治療をする医務室だ。」


「は・・・・はい・・・というか・・・・私もあんな風にされちゃうんですね、今から・・・・まだ処女なのに・・・・」


・・・・勘違いされてる・・・・


「なあなあすげーもん見ちまったぜ!あんな風に産むのか?もしかして本当は今から俺達を孕ますつもりだった?獣人を人が孕ますとか信じられねけどさ!」


「神秘を感じますう・・・・旦那さまはその・・・・あの女性のおなかの父親でしたかあ?」


「違うから!全部違うから!何がって今すぐ君らをどうこうしないし!お腹の子は俺の子じゃないし!」


取り敢えず全否定しておいた。


さて・・・・気を取り直しとくか・・・・


「エミリー、今から君の身体を調べる・・・・そうはいっても俺は医学の知識は無いからな、此処に居る全員で、エミリー、君の足を中心に、左右の違いやらを見比べる。獣人の事はよく分からないから、ソフィーとナタリーにも協力してもらうかもしれない。」


「あ、はい・・・・よろしくお願いします・・・・ってきゃあ!」

あ、こら、ベッドに倒れるんじゃない・・・ってこけただけか・・・・


「協力って何すりゃあいいんだ?」


「ああ・・・・まず、下半身を全部脱いでもらわないと駄目だな・・・・そして、何処か歪みがないかとか見させてもらう。」


「今から脱ぐんですね・・・・」


暫らくして、3人は下半身丸出しになった・・・・あ・・・・下着は良かったんだが?



「下着はつけていていいぞ?」


「めんどくせえし、このままでいいぜ!」


「いや、それでは治療に俺が集中できないから穿いてくれ。」

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