第349話 エミリーの治療

「エミリー、ちょっとこっちへ来てくれないか?」


俺はエミリーに声をかける。


「えっと旦那さま?何かな?」


テトテトやってくるが・・・・案の定足がもつれ倒れる。


「ふぎゅう・・・・」


きちんと見て見ないと駄目だなあ?


「エミリー、君は足とか怪我をした事が無いか?」


「え?足ですか?覚えてません・・・・あ、小さい時、親が戦から逃げる時、私が大怪我したと聞いた事があるような?」



む!それか?足を怪我したのか?


「君は、歩き方がおかしい。だからちょっとした事ですぐ躓くし、何もない所でコケる。」


「ええ!そうなんですか?単なるドジでは無いんですか?」


「・・・・そうだなあ・・・・君がドジなのは否定しないが・・・・頭をよく打つだろ?あれは単なるドジだ。」


「あうう・・・・そこは否定してほしいです・・・・」


「まあ、それは置いといてだな、エミリー、君は足を怪我して、足が何かしら不具合があるままの状態じゃないか?」



「えええ?そうなんですか?今まで全く考えもしませんでした・・・・あ、でも・・・・もしそうだったとしても、治療費なんて払えませんからね、結局そのままですよ。」


・・・・これどうやって治すんだろうか?怪我じゃないし・・・・もう長いことこの状態なら、この状態が通常なんだろう。

どうすれば・・・・?


「何真剣な顔して姉貴と話してんだよ!」


ナタリーが割り込んでくる。


「あ・・・・エミリーの足が、何かしら異常があるんじゃないかと思ってるんだが、どう思う?」


「へ?何だよ異常って?別に姉貴におかしいと所なんて・・・・ありまくりじゃねえか!って、まさか姉貴がコケまくってるのって、足がおかしいんか?」


「お!理解してくれたようだな?エミリーの歩き方が少し変でな、そう思ったんだよ。」


この後ソフィーもやってきて、同じ事を説明する。


・・・・

・・・

・・


「で、結局どうやって治すんだ?」


「俺が聞きたい。」


「はあ?駄目じゃんかよ!全く期待させやがってよ!」


・・・・相変わらず口が悪いが・・・・根はいい娘なんだよな。


さり気なく色々手伝ってくれるんだよ、この娘。


何だかんだで一番気配りできる娘じゃないか?


「まあそんなんだから・・・・一度じっくり調べてみたいんだよ。」


「私調べられるんですか?切り刻んで、ぐちゃぐちゃに?ひいいいい・・・」


・・・・いや、そんな事はしないぞ?治療で切り刻むかもだけど。


「まあ一度診てみるから、医務室行こうか?」


そう言えば、ティンドールだけだったな、医務室。


俺はゲートで3人と、世津、三津枝、シビルと共にティンドールへ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る