第343話 黒い液体

「地面を掘っていたら、突然黒い液体が噴き出てきたんです・・・」


「ああ、あれはひどかったぜ!何せ俺達3人ベトベトになっちまって、臭いわ真っ黒だわ3日は汚れが取れないわで悲惨だったぜ!」


「親方にはこっぴどく怒られましたあ・・・・」


・・・・なんだろうこの違和感。黒い液体って・・・・


彼女達も職人か、職人見習いのはずなので、調べてもらうと・・・・どうやらガエル師匠が色々な工房へ職人を俺の所へ融通するように伝えてくれた所、その内の工房のひとつが、彼女達3人を寄こしたそうだ。


その工房は、ガエル師匠の工房とも取引があり、錬金術?まあ、素材を調達し、加工する工房のようだ。


そうは言ってもやる事は幅広く、薬の素材から、鉄等のインゴットまで、木材の扱いもあるらしい・・・・どんな工房だ?


ガエル親方曰く、王都で素材と言えばそこの工房らしい。


で、件の3人娘だが、獣人なので、鼻が利き、素材を見つける事に長けているようで、よく薬草や欲しい木材を探し当てるらしい。

そして、地面に隠れている貴重な根っこや鉱石も探し当てる事が出来るらしい。


そんな獣人を何人も雇っているその工房・・・・王都にかなりいるけど、獣人の存在なんて知らんかったぞ?


そんな中彼女たちは腕利きらしいのだが・・・・結局独立できるのは、彼女達を使う立場にある人間で、その下っ端の彼女達はいつまでたっても独立できないらしい・・・・


そんな中、3人姉妹の1人はクラッシャー・・・・壊し屋と呼ばれ、常に何かしらのトラブルを引き起こし、妹2人が尻拭いしていたようだ。


そんな彼女だが、価値ある物を発見する事に関しては飛び抜けており、ドジをしでかしても、それ以上の功績があったので、工房もずっと3人を置いていたらしい。


そんな中俺の話が舞い込んできたらしい。


その工房、正直3人を持て余していたようだ。


体よく厄介払い・・・・ゲフンゲフン・・・・・彼女達の未来を信じて、俺の所に送り込んできたらしい・・・・


・・・・いいのかそれで?


そう言った見習い達は・・・・あちこちの工房から、密かに俺の工房?店?にこれ幸いと送り付けているようだ。

一癖も二癖もあるような連中らしいが・・・・腕が確かなら何とかなるだろう?


そんな感じで再び彼女達を見るが・・・・


うーん・・・・そんなトンデモなようには見えないんだよな・・・・服を着ていれば、耳は兎に角、顔は普通・・・・いや、整っている分目立つんだが・・・・普通の外観だ。普通というのもおかしいかもしれない。だってな・・・・後ろ姿なんて括れもばっちり、尻の形もスケベで鷲掴みに・・・ゲフンゲフン・・・鍛えてるのか引き締まった体つきで、妙にエロい。


尻尾も隠せばまずわからない。


あ、そうだ、この3人、ダンジョンに連れて行ってみるか?

世津と三津枝、シビルに守らせれば、どうにでもなるだろうし・・・


そんな中、シビルは・・・・何故か3人を気に入ったようで、嫌がる3人の気持ちを無視し、抱きしめている。


「やはり人間とは違う・・・・このモフモフたまらん!!!お姉さんが可愛がってあげるからね!」


・・・・そう言えば出会った当初、人間を見下してたっけ、彼女。


「ぎゃーやめろー!俺はそっちの趣味はないんだあ!!!」


「あら奇遇私も女には興味ないわよ?だけどね・・・・この手触り、凄くない?あ、私の仕事、貴女達の素材集めをね、かなり期待してるからねえ?ふふふ・・・・」


「ちょっとーたーすーけーてー」


「いやああ痛くしないでええ・・・・」


・・・・大丈夫か?色々と。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る