第342話 獣人
この世界には、獣人がいるらしい。
そりゃあ、エルフが居るんだ、いてもおかしくないよね?
だけどねえ?人の耳は、長い年月をかけて今の場所になったはずなのに、なぜ獣人は違う場所なんだろうね?
それに・・・・腕や背中、脚には体毛がびっしり生えている。
それもすごく細くて細かい・・・・触るともう凄く気持ちいいんだよ・・・・
尻尾もそうだ。
尾骶骨ってあるだろう?まあ尾骨なんだけどさ。
もう退化して無くなった尻尾だが・・・・獣人にはある。
どうしてなんだろうね?
・・・・
・・・
・・
・
俺が何故こんな事を考えているかと言えば・・・・
温泉施設で知り合った3姉妹の職人?が、獣人らしい・・・・
初めて見たから・・・・しかも存在知らなかったし?
え?あの三姉妹?ダメダメあんなのと関わっちゃあ・・・・
え?僕知らないですよあんなの・・・・
ああ、クラッシャー三姉妹じゃあないですかね?俺達見習いの間では有名っすよ?
・・・・あれから職人達と顔を合わすと、こっそり教えてくれる。
別に獣人だからという差別ではなさそうだが・・・・なんだクラッシャー三姉妹って?
・・・・
・・・
・・
・
「・・・・・なのですわ・・・・って、聞いてます?士門さん?」
「ああ、すまんすまん、考え事してた・・・・」
佐和が今後の予定を説明してくれている。
それと・・・・
「まじうめえ!何だこの食べ物!こんなの食った事ねえぞ!ほら姉貴!もっと食えよ!」
「そんなに無理よ?ああ・・・そんなに食べ散らかして・・・・」
「あらあ・・・・何でこんなに美味しいんでしょう―」
・・・・こいつら話聞いてねえし・・・・
「ちょっと貴女達?聞いてますか?大事なお話なんですよ?」
佐和が獣人達に確認している。
「あ?聞いてるよ!俺達の事は構わないでいいぜ!どうせ俺達はあんたらと違って所詮獣人だ。精々こいつの愛人か妾でも・・・・現地妻でもいいんだぜ!」
・・・・どうせって何だ?
「そうよねえ・・・・あ、旦那さま?もしかして・・・・私達このまま捨てられちゃうのかなあ?」
「うぐ・・・・酷いですぅ・・・・弄ばれた挙句、捨てられるなんて・・・・捨て犬はいけないんですよ?飼った以上、最後まで責任持たないと・・・・」
・・・・いや、飼ってないし?
「あー結局獣人て何?君達の話を聞くと・・・・人間以下の扱いなの?」
「あ?そんなのあたりめえじゃん!ま、奴隷と同じぐらいの立場か?」
「ええ・・・・そうなんですう・・・・まだ私達・・・戦闘以外のスキルあるからあ・・・・扱いはあ、まだましなんだけどお・・・・」
「あ、ごめんなさい・・・・私のドジで・・・・妹たちが・・・・迷惑してるんです・・・・聞いてると思うけど・・・・クラッシャー三姉妹って言っても、実際悪いの私なんで・・・・」
「で、何を壊したんだ?」
俺は知らないから聞いてみた。
「ちょっと森の環境がおかしくなったり?川が下流から上流に流れるようになったり?地面から何やら黒い液体が吹きだしたり?」
・・・・最後の何?彼女は本当にクラッシャーなのか?
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