第339話 貸切風呂へようこそ

「貸切風呂へようこそ。誰もいないから、気兼ねなく使ってよ。」


俺がそう言うと、珍しいのか3人はあちこち見ている。


「これマジ貸切風呂?デカいじゃねえかよ!何だ此処!すげー!なあなあこれ飲んでもいいのか?」


そこには酒やジュース、お茶があった。


本当は金取るんだけどな・・・・


「飲んでもいいけど、金かかるぞ?」


「それは残念・・・・あれ?この水はどうなのお?」


「あ、それはお代わり自由だ。汗かいたりして、倒れてしまってはこちらも嫌だからな。飲み過ぎは腹冷やすから、ほどほどにな。」


俺はそう言いつつ、一口飲む。


あれ?ただの水のはずなんだが・・・・ちょっとくせがある?


俺がそう言うと、最初に出会ったあのドジっ娘が


「だからと言ってエッチなのは取り消しませんよ?」


そう言いつつ、3人は水を飲んでいる。


「別に取り消さんでもいいけど・・・・俺も男だから、な、エッチなのは仕方ない。そういうけどな、女も大概スケベなんだぞ?何故って?スケベな女が消えたら、人類は滅ぶからだ!」


俺がそう言うが・・・・あ!誰も聞いちゃあいない。つーか男前な嬢ちゃん!何飲んでるの?


「これうめ―!何だこの飲み物は!マジサイコー!」


・・・・あれ?水だよな?


「そんなに美味しいの?あれれ?本当美味しい!いくらでも飲めちゃうぞお?」


「あ、一寸ずるいです!お姉さんをさしおいて!ちょっと頂戴!」


そう言って3人はどんどん飲む・・・・うわ・・・・大丈夫かよこいつら・・・・


何故かフラフラになる3人。


うわ・・・・


「お!そうだった!そうだ!風呂に入らないと!」


「あ、これ風呂でも飲めますかあ?」


「なにこれいくらでもいけちゃうう!!」


駄目な奴らだ。ずらかろう・・・・面倒に巻き込まれるのは勘弁だからな。だが・・・・何故か俺より素早く動く3名。


何だと・・・・!


「ちょっとかっこいいお兄さん、まさか帰らないよな!」


「ささ、服をヌギヌギ、一緒に入りましょうねえ!」


「きゃ!あ・・・・あれが男の人のピ――――!」


俺はなすすべもなく・・・・一瞬にして裸になってしまった・・・・仕方ないだろう?俺も風呂上がりだったから、バスローブ一枚だったんだよ?


そして・・・・

「さあ!行くぜ!」


そう言うと3人、あっという間に裸になる。


わあ!俺痴漢に間違われないよな?


しかし・・・・何て白いんだ・・・・?

あれ?まだ耳に付けてるの?


「なあ・その耳、取らないのか?」


俺はドジっ娘の耳を触る。おお!何だこれ、気持ちいい・・・・ちょっと引っ張るが・・・・


「あん♪」


と・・・・取れない・・・・何故だ?


それに・・・・あれ?何だか様子がおかしいぞ?

その場に座り込んでしまうドジっ娘。



「おいあんた・・・・なんて事してくれたんだ!」


へ?俺はその娘さんの耳も触る。


おお!こちらも気持ちいいぞ!何だこの手触りは?


「あ・・・・そんな・・・・大胆・・・・」


ありゃ?

そして・・・わなわなと体を震わすもう1人。


「えっと・・・・私のも触っちゃう流れよね?」


「君のもさわり心地よさそうだな・・・・」


おお!やはり気持ちいい!モフー!



「信じられない・・・・3人共触っちゃうなんて・・・・」


・・・・3人とも力なく座り込んでいる。あれ?俺何してるんだ?

何だか頭がボーっとするぞ?


「おい!折角だから入ろうぜ!自慢の貸切風呂だからな!」


「駄目だ・・・・力が入らねえ・・・・」


そう言いつつ、暫くして起き上がる3人。

あれ?そのお尻に生えてるのしっぽですか?


俺はさらに尻尾を掴む。


「ふぎゅう!」


「あふん!」


「いやん」


・・・・おかしいなあ?どうなってるんだ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る