獣人

第336話 風呂で親睦を深める

王都だけでも、ガエル師匠のかけ声と共に100名ほどの職人が集まった。


ティンドールでも、30名ほどの職人が集まったらしい。


王都とティンドールでは規模が違うので、この差になるが、どちらにしてもよく集まったもんだ。


師匠曰く、今後日程の調整がつき次第、もっと来るだろうとの事。


それに、既に俺の店やらに関わった職人も多数いる訳で、今回はその関わった人を除いての人数。関わった人達は、そのまま新領地の建築に向かってくれている。


しかし、俺が驚いたのは・・・・半数以上が女性だった事だ。


建築関係の職人となると、どうも日本のイメージでは男社会なわけで、それが半数が女性・・・・力仕事は大丈夫なのか?と思いきや、身体強化のスキル持ちや、魔法でどうにでもなるらしい。


なるほど。


そして、俺は王都の職人達と親睦を深めるために、温泉に招待した。


そんな暇はない!と拒絶する人もいたが、俺がこれから目指す事柄なので、無理やり連れてくる。


男の方は単純で、温泉の後は酒とうまい飯で皆ご満悦だった。


厄介なのは女性陣。


まさか俺と入る訳には行かないので、ノエラとヒルダに任せる。


そして、温泉にある石鹸に気が付いた女性陣。さらにはこちらの素材のみで作ったシャンプーとリンスに驚く。

そう、職人たちは風呂に入る時間も惜しんで、修行に明け暮れる訳で。


なので、こういった施設に行った事が無いらしい。


なので、俺の店で扱っている石鹸やらシャンプーも当然知らないわけで。


シビルに感謝だな。頑張って色々作ってくれたんだよ。


そうそう、職人のうち何人かは夫婦だったりする。

同じ工房で知り合い、結ばれた奴もいれば、他の工房の・・・・取引先で知り合い、結ばれたとか・・・・


独立できなくても、それなりの給料はもらっているようなので、結婚もできるようだ。

だが・・・・それはほんの一部の人のみ。


そして、最年少の職人は、そういった職人の子供らしい。

家族で・・・・と言うの?幾家族かいたわけで。


そして、風呂で職人達が会話をしたりする中で、気になる事があった。


最近、ティンドールと王都を行き来する商人が、盗賊に襲われたらしい・・・・と。


そういえば、魔物が出現するからと、討伐した事あったっけ?


しかしなあ・・・・一応商人って、護衛を雇ってるんだろう?なのに襲われた?

それとも護衛代をケチって、護衛なしで行商中に襲われた?


こういった盗賊は、誰が捕まえるんだ?


俺が温泉から出て、休憩所で休んでいると、俺を知っている女性が声をかけてきて、何かと思ったら、


「口田様、申し訳ないのだけれど、その、温泉のシャンプーがもうほとんどないんです。補充できませんか?」


「え?もうないの?まあ女性は髪の毛が長いから仕方ないよな。ちょっと在庫を見てくる。知らせてくれてありがとう。」

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