第327話 師匠ガエルへロンダーヴの報告

そう言えば今日は師匠が居なかったな。


俺は一度家へ戻り、ロンダーヴを伴って師匠の所へ行く事にした。

ロンダーヴにとって、師匠は言ってみれば父親みたいなものだからな。


「えっと・・・・そうだね、一応、ボクを生み出してくれたのがあの親方だからね、言ってみれば父親だから、報告する必要があるね。」


納得してくれたようなので、2人で向かう事に。


・・・・

・・・

・・


珍しく師匠は仕事をしていた。


「おい!何勝手な事思ってやがるんだ!俺は常に仕事してるぜ!」


・・・そう言う事にしておこう。

さてはあれだな、ダンジョンでアダマンタインやヒヒイロカネが手に入ったから、鍛冶魂が疼いたんだろう。


「まあ、否定はしねえが・・・・お、何だ今日は、それ・・・・ロンダーヴか?」


・・・・そうだった・・・・親方の前でロンダーヴの顕在化した姿、見せてなかったな。


「あのね、ボクがロンダーヴなんだよ、この姿は初めてだよね?」


「お・・・・おおう!えれえ別嬪だったんだな。こいつは驚きだぜ!で、何だわざわざ顕在化などして・・・・つーか顕在化?そんな事が出来るのか?トンデモな剣だったんだな、俺が打ったんだけどな。」


「そうだね・・・・普通の鍛冶師がボクを打てるとか、そっちの方が気になるけどね?あ、そうそう、一応ボクの父親だからね、親方は。報告に来たんだよ?」


「俺が父親?馬鹿言ってんじゃねええよ・・・・って俺が打ったんだから、そうなるか・・・・で、報告って何だ?」


「ボクね・・・・妊娠しちゃってね、剣に戻れないんだ。」


「おう?妊娠?そりゃあめでてえ!そんな風にゃあ見えんがな。って誰の子だ・・・・って聞くだけ野暮か?」


「勿論ますたーの子だよ?ボクはますたー以外とセックスしてないからね。」


「そ・・・・そうか・・・・仮にも父親の前で、セックス相手の話されても困るんだがなあ・・・・しかし・・・・おまえ、羨ましいな!おまえの所は別嬪ぞろいじゃねえか!」


・・・・話が変な方向にそれそうなので、割って入る。


「まあそういう訳で、ロンダーヴは身重でね、どうやら妊娠中は剣に戻れないようなんだ。」


「ふーん・・・・そうなのか?俺が言うのもなんだが、今まで顕在化なんてした精霊の宿った剣なぞ、見た事も聞いた事もねえな。だから俺に何か助言を求めてんなら、残念だが力にはなれんな。」


師匠の話だと、精霊の宿った剣は、普通は精々剣に何かしらの力を与えれくれる・・・・火を扱えるなら、剣に炎を纏わすとか、風を扱うなら、かまいたちを起こすとか・・・・そんなの。


ごく稀に人に語り掛けてくる精霊もいるらしいが・・・・

これは、精霊が宿ったアイテム全般に言えるらしいが・・・・


あ、きっとナビちゃんもそうなんだな。最近全く働きかけてこないけど。


【必要ないので、話しかけないだけですよ。】


お、久しぶりだな・・・・まあ、何かあったら頼むよ。


【私が働きかける事態にならない事を願ってますよ。】


何か予言めいた事を・・・・と、この時は思ってました。

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