第326話 王都”ブンバテユス”にて
王都の城へ到着する。
勝手知ったる何とかで、案内を待たずに王様の所へ向かう。
一応、ギルドから俺達が城へ向かう事は連絡済み・・・・のはず。
控えの間で待っていると、何故か王様と伯爵がやってくる。
「おお婿殿!ティンドールのダンジョンへ行ったそうだな!で、あそこのダンジョンに何やら重大な報告があると聞いたぞ?」
「ええそうなんですけどね、そこの・・・・伯爵さんの所へも行ったのですが、生憎留守だと言われて、まあ、今居るから一緒でいいですよね?」
俺は2人を見ながら言う。
「おお構わんさ、のう、ハイメよ。」
「わしは構わんが、いいのかプラシドよ?そなたの領地のダンジョンの事であろうに。」
「いいじゃないか、どうせ後でお前に報告せんといかんのだからな。手間が省けていいじゃないか。」
「それもそうか、がはは!どうせプラシドが報告するのであろう、そうなれば・・・・どうせ面倒だからと適当になってしまうんじゃないか!ま、それで問題になるほどの面倒事でもあるまいし。うははは!」
・・・・大丈夫かこの2人。よくこんなので国や領地を運営できてるなあ。
・・・・
・・・
・・
・
俺は2人にダンジョンの現状、そして、修復した場合の可能性を報告する。
最終的に、このまま現状維持か、修復し、新たな可能性を示すか・・・・
すると、王様と伯爵は、顔を見合わせたまま渋い顔をする。
「はっきり言おう、婿殿。あのダンジョンはそのままじゃな。正直に言えば、新たなダンジョンにしてしまいたいのじゃが・・・・あのダンジョンは長い間安定しておってな、下手に弄ればどうなるか分からぬからな。特にあのダンジョンは初心者が多いと聞いておるからのう。もしダンジョンの難易度が跳ね上がれば、無駄に死ぬ冒険者も出るであろう。それに、魔物がまたダンジョンより脱出し、周りに悪さをするかもしれんからなあ。」
・・・・伯爵はたぶん現状で、と言うとは思っていたが、まさか国王がこの段階で反対してくるとは。
「まあそう言う事だ、口田殿。まさかあのダンジョンが50層まであるとは思ってもみなかったが、不都合が無ければ、あのままにしといてくれ・・・・」
「ああ、わかったよ。ただ、放置して問題があれば直ちにダンジョンの修復をするからな。」
「そうじゃな・・・・その時は頼んだぞ!」
用が終わったので、去っていく2人。
「まさか・・・・くう・・・50層までか・・・・」
「個人的には・・・・だが・・・・開放したい・・・」
何か聞こえてはまずそうなので、俺達もそそくさと退散する。
あのまま放置して問題が無ければいいが。
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