第309話 100層の階層主?
どうやらあのドラゴンは100層のボスではなかったようだ。
俺はそう結論付けた。
それ以外考えられない。
あ、それ以外にも可能性があるのだが・・・・これは考えたくない。
その内のひとつは、ここまで来る奴がいると思っていなかったので、この後を用意していない・・・・
駄目なオチだな。
もう一つは・・・・
ここの管理者か、作ったやつ・・・・作ったやつが長生きしていない限り死んでると思うけど・・・・何かしらの接触がある場合。
すんなり帰してくれればいいけど、無理難題吹っ掛けられたり、ごねられたり・・・・
そういうのが無い事を祈ろう。
可能性が高いのが、100層で最後。
最後なので特別なボスが出現・・・・
あとは、まだまだ先があるが、100層で一区切りしている場合。
まあ、考えても仕方が無いので、先に進むしかない。
暫らく進むと、今までとは全く違う扉が見える。
俺は立ち止まり、皆の方へ振り向き
「どうする?このまま・・・・え?」
先程まで世津達もいたのだが、振り返ると誰もいなくなっている。
どう言う事だ?
確かに・・・・隣には世津がいたはずだ。
それがいきなり消えた。
どうなっている?
すると・・・・
【ようこそおいで下さいました。ダンジョンの管理を任されているホムンクルス非戦闘型タイプ
・・・・え?何?
「え?ちょっと何いきなりこれは?」
俺は混乱している。
状況が分からないうえに、皆がどこへ行ったのか分からないからだ。
えっと・・・・人間だよな?
30手前の・・・・どう見ても美人な女性にしか見えない。
背は・・・俺と同じぐらいか?手足が長いじゃないかコンチクショー!
は!今はそれどころではない・・・・
【ご心配なさらなくても、同行者の方は全員無事です。今は・・・・失礼、口田様ですね。この空間には相当レベルが高くないと耐える事が出来かねますので、レベル12以上の口田様のみをお連れ致しました。】
「ごめん意味がサッパリ分からないのだが・・・・」
【口田様の精神に過度の負荷が見られます。これを飲んでお鎮め下さい。】
何やら液体の入ったコップを差し出すこの・・・・人?
鑑定しても、????
としか出ないが・・・・飲んでみるか。
飲むと、不思議と落ち着く。
【口田様の精神の安定を確認。】
「そりゃどうも・・・・で、何で俺はあんたと会ってるんだ?理由を聞いても?」
【2年ほど前の干渉により、システムに致命的な損傷があり、私では修正できません。口田様のスキルで可能ですので、修正していただけないかと。】
「修正したとして、どうなるんだ?」
【わたくしの更新が可能となります。後50年ほどでこの個体は朽ち果てますので、新たな個体に更新する必要がある為です。】
なんじゃそりゃ?
「更新できなければどうなるんだ?」
【ダンジョンが崩壊。中で生成されている魔物が外に溢れます。延々と。】
・・・・どういう事だ?
【このダンジョンは、深層へ向かえば向かうほど、高エネルギーが必要になります。高レベルの魔物にも、高エネルギーが必要で、付け加えれば、このダンジョンは深層へ向かえば向かうほど、高エネルギーで満たされています。今はその高エネルギーの方が勝っておりますので、システムが安定していますが、バランスが崩れると、わたくしの更新負荷を待たず、崩壊いたします。】
更に訳が分からなくなったぞ。
「えっとほとんど理解できなかったんだが、君がこの100層の階層主という認識でいいの?」
【少し違いますが、私を討伐する必要はございませんが、その認識で間違いはありません。ですが、私を討伐するのは先に言いました通りの結果になりますので、お勧めいたしません。】
さよですか・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます