第293話 謎の3人

「がははは!遅かったのう、婿殿、待ちくたびれたぞ!」


そう言って豪快に喋るのはこの国の王、ハイメ国王だ。


「おう!待ちくたびれたぞ!」


そう言うのは鍛冶の師匠、ガエル・バルリエントス。


「さあ、揃った事だし、口田殿、出発しようではないか!」


俺に出発を促すのがプラシド・ネグロン・イ・ゴディネス伯爵。ティンドールの領主だ。


前の2人は王都に住んでいるから分かるが、何でティンドールの伯爵が此処に居るんだよ・・・・


「おう、口田殿の領地に新たなダンジョンが発見されたと聞いてな、いてもたってもいられなくてな、先ずはハイメに聞いてみようと思った次第なのじゃ。」


駄目だこの3人。確信犯だ。


早速出発しようとする3人だが・・・・何故か背後にさらに3人が控えているようだ。


「なあ・・・・その3人は誰?」


俺がそう聞くと、ギョッとしたように背後を振り返る3人。


「な・・・・・何でここにおるのじゃ!」


驚いた口調で後ろの人物に声をかける王様。


「わかっているでしょう・・・・」


うん?なんか変な声だ。そして、少し体型が小さい?


「お前まで来るとは・・・どうしてわかったのだ?」


師匠が、師匠の背後の人物に聞く。


「はあ・・・・わからないとは・・・・」


はて?この人も声がおかしいぞ?

国王の背後の人と似たような背だな。


「ごほん、どうやってここに・・・・?」


「たまたま買い物に来ていたのですよ、全く・・・・」


ほへ?やはりこの人も声がおかしい。更に背が低いぞ?


「で、この人達は?」


俺が改めて聞くと、


「そ・・・・それはだな・・・・「お目付け役です、お構いなく。」」


国王の言葉を遮り発言する後ろの人。



よく分からんが、ついてくるのかな?



「えっと・・・・この3人と共についてくる認識でいいのかな?」



「「「それで結構です。」」」


・・・・さよですか・・・・まあ、お目付け役というなら、しっかり見といてもらおうか、どうせ駄目って言っても、王様たちはついてきそうだしな・・・・



今回は船での移動。


早速船を出し、乗り込む。


今回は俺と世津、三津枝、シビル。


そしてこの6人。


6人の実力は分からないが・・・・


3バカの後ろを歩く正体不明の3人、全く動きに隙が無い。


何者だろう?


船で出発。あっという間に到着。


ロンダーヴが操縦してくれたけど、


「ボクはここで待つから、どうぞごゆっくり・・・・」


よくわからんな・・・・最近ずっと顕在化したままなんだよ。

そう言えば、この前は留守番だったしな・・・・気分が乗らないとか何とか云って。


そして早速ダンジョンに入る3人。おい、ちょっと待て。

とめる間もなく走って突っ込んでいく。



そして・・・・



「殺しても死なないですから、お気になさらず・・・・」


とかいいながら、音もなくダンジョンに入っていくよく分からない3人。


いいのか?

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