第281話 ビクトル・オジャ

「侯爵さま、此処なのですが・・・・」


ビクトル・オジャが先導し、穴の場所へ行く一行。


中々広いな・・・・


中は、暗くて見えないな。


「ビクトル君と言ったか、君はここは何だと思う?」


「は、はい!私の経験から考えますと・・・・ダンジョンではないかと思われます。」


ダンジョンって・・・・何だろうな?

この世界のダンジョンってよく分からん。


洞窟じゃないのか?


「ダンジョンという根拠は?」


俺は分からないのでそう聞くと、


「は、はい、この入り口は、獣や、何かが踏んだ形跡がございません。ダンジョンの入り口は、獣は近付かないとされておりますので。」


「そうなのか?すまんが俺はダンジョンは全く知らなくてな。オークやミノタウロスを討伐しに向かった事はあるが、それはもう既にダンジョンの情報があったし、かなりの人数で向かったからな。」


「左様でございますか・・・・もしここが獣の巣でございますれば、出入りした形跡があるのでしょうが、此処には何もそのような形跡がございません。」

未知のダンジョンか・・・・

どうするか?この面子ではな・・・・


「ちなみに、君レベルは?」


「は、はい、4ですが・・・・」


4か・・・・何かあったら・・・・難しいな。


「わかった、君には、一度報告をしてもらおう。君はこういった知識があるようだしな。」


俺は一度、王都へ戻る事にした。


広い場所へ向かい、船を出し、三津枝とビクトル君とミシェレを乗せ、出発する。


それほど離れてはいないので、ものの10分ほどで到着する。


流石に速いな・・・・


・・・・

・・・

・・


王都の拠点のミーティングルーム・・・・


まあ、いつもの場所なんだけどさ。


その時の気分で、会議室と言ったり、談話室と言ったり、レクリエーションルームと言ったり・・・・


初めて王都の拠点に来る2人?


ビクトル君と、そう言えば神獣たちは、ずっと領地にいたから来てなかったっけな・・・・ミシェレが入室する。


俺はいつもの席に座り、左右に2人が座る。


三津枝は・・・やはりいつもの場所に座る。


そして、すぐに世津や佐和がやってくる。


皆着席をする。


佐和とイベッテは子供をベビーカーに乗せてやってきた。


一応、ベビーシッターを・・・ここに働きに来た中から選んだのだが・・・・同行させているので、何かあったらすぐ対応できるようにしている。


「先だって報告があった、山に何かがある、という話だったので、報告してくれたビクトル君と共に、調べに行って来たんだが・・・・どうやらダンジョンらしくてな。」


「新たなダンジョンですか?それは貴重な発見です!」


イベッテが食いつく。


「そうなのか?」



「え!もちろん!って、知らないか・・・・そこの・・・ビクトルさんだったかな?あなたが第一発見者?」


「は・・・はい!そうでございます・・・・」


「そんな緊張しなくていいのに。もし本当にダンジョンと認定されれば・・・・あなたは一山当てた事になるわよ?おめでとう!」


どうやら彼は一気に金持ちになるらしい・・・・


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